神奈川消防署の署長として、地域の防災や減災に尽力している 荒卷 照和さん 神奈川消防署長 59歳
地域のため進化し続ける
○…消防士として37年のキャリアを持ち、現在は文部科学省の科学技術・学術審議会専門委員の一人としても活躍。専門家とともに日本の災害対策などに取り組む。雑誌などの防災特集で取材を受けることも多く、「大規模災害に対して、確実に生き残るための対策をしてほしい」と、自らが家族と実践している防災対策を紹介するなど、住民と同じ目線での防災・減災対策を訴えている。
○…生まれも育ちも横浜。勉強よりも運動が好きで、ピアノやバイオリンも弾ける少年だった。大学時代には、旅行会社でアルバイトの日々。添乗員として旅行客を楽しませるため、民謡と三味線を身につけた。晴れてアルバイト先での就職を決めたのも束の間、内定を取り消されてしまった。再び社員登用を目指していた時、横浜市の採用が目に入った。
○…人命救助隊では、火の海に飛び込み命を落としかけたこともあり、現場の苦労を学んだ。消防庁時代には「週3日は庁舎に泊まっていたから、妻の出産にも立ち会えなかった」と振り返る。横浜市に戻ると、新米消防士への教育をはじめ、ランドマークタワー竣工時の指導やW杯での対応にも携わった。イキイキと話す姿は、自身の好きな言葉の一つ『嫌々する労働は人を老衰に導くが、自己の生命の表現として自主的にする労働はその生命を健康にする』という与謝野晶子の言葉そのもの。「天職に出会えた。(内定取消の)挫折が自分を強くした」と笑顔を見せる。
○…妻・大学生の娘・愛犬ラブと暮らす。最近は愛娘の就職活動が少々気がかりな様子。鎌倉の災害に関する古文書を読んだり、「野毛においしいお店があってね…」とグルメな一面も。2013年も「最高水準の安全・安心サービスを提供する」というスタンスは変わらない。「さらに知識・技術を向上させて地域の皆さんに活かしていきたい」と、さらなる進化を目指す。
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