東邦電気に産業技術賞 電力量の自動計測化開発
羽沢町にある東邦電気株式会社(伊藤一晃社長)が11月12日、九都県市(神奈川県、東京都、埼玉県、千葉県、横浜市、川崎市、相模原市、千葉市、さいたま市)で活躍している企業とその卓越した技術を共通の財産として表彰する「平成25年度九都県市のきらりと光る産業技術」に横浜市から選出され、表彰を受けた。
評価されたのは、同社の開発する「一体型スマートメーター用パワーラッチングリレー」という製品。この装置は、家庭の電力使用量を自動計測できる次世代の電気メーターに使用でき、電流のスイッチの役割を果たす。一般的な電気メーターは、各家庭で電力を使用するとメーターに組み込まれた円盤が回転し、その回転数で電力を数値化する。それを電力会社が一軒ずつ検針して電力使用料を請求するという仕組みとなっている。
しかし、このパワーラッチングリレーが組み込まれたメーターは自動計測ができ、通信機能により電力会社へ電力使用量が届くため、わざわざ検針する手間が省けるという。開発グループのチームリーダーは「家庭でも30分おきに使用量をチェックできるような端末などもできるのでは」と将来を展望。リレーのスイッチは遠隔操作でオン・オフが切り換えられるので、「東日本大震災後に行われた計画停電も、この機能があればよりスムーズに行うことができる」と話す。
コストダウン目指す
同社は1955年、漏電で火事の多かった時代に設立。現在は、ブレーカーや電磁石などを開発、販売している。その長年のノウハウを生かし、5年かけてこの製品を開発した。震災以降は業界で開発の流れが加速。主力企業も同様の製品を開発しているが、担当者は「他社の製品より衝撃に強い設計で、大企業に引けを取らないと思う」と話す。今後の課題は、性能を維持した上でのコストダウン。来年1〜2月には生産をスタートさせる予定だ。伊藤社長は「今回の受賞はお取引先様など皆さんのご支援、ご指導の賜物です」と感謝していた。
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