六角橋商店街で「地杉を活かした森つくり展」を開催する 稲見 風子さん 屋久島在住 29歳
「森と人をつなげたい」
○…「木材として植えられた地杉が今、使い時を迎えている。自然は私たちが使い戻してあげることで生きているんです」。地杉の活用による森づくりを伝えたいと、移住先の屋久島で出会った雑貨店や家具店とともに、一週間前に横浜へ戻ってきた。木の香りやぬくもりは落ち着いた気分になるが、都会にいると木に触れる機会は少ない。「さわって、匂いをかいで、感じ取ってほしい。森が豊かになると、私たちの生活も豊かになる」
○…小さい頃は、神大寺にある実家近くの通称・赤ひろばで日が暮れるまで遊んでいた。「今でも赤ひろばの木々に囲まれると落ち着く」と目を細める。手に職をつけたいと、農業高校に進学。造園や環境について学んだのち、芝生管理の会社に就職した。しかし、山を切り崩して作られているゴルフ場を見て「私たちの暮らしが自然に悪影響を与えているのでは」と疑問を感じるようになった。
○…仕事を辞め、環境イベントに参加する中で出会ったパーマカルチャーに魅了され、自然と共存する暮らしを求めて6年前に単身屋久島へ。「何が本当の自然なのかを確かめたかった」。そこで知ったのは、地杉が使われないことで自然のバランスが崩れ、荒れている森の姿。「自然界は多様性で成り立っている。杉だけではいけない」と、ドングリから育てて照葉樹林の森をつくる植樹活動にも携わっている。
○…屋久島では、地杉で建てた小さな一軒家で暮らし、野菜作りに夢中。近所の仲間と月1回、持ち寄りごはん会を開いており「人のために作ることが楽しい」と微笑む。地杉を使った雑貨店での勤務の傍ら、農家で収穫も手伝う。テーマは「循環」。自分の暮らしや自然が循環できる生活を意識して過ごしている。「屋久島も横浜も私のふるさと」。地元を離れて横浜の自然も知るようになった。「多くの人に木に触れる機会を作って、森づくりにつなげたい」
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