大型で強い台風18号が10月6日午前、横浜市を直撃し、土砂災害で2人が犠牲となるなど各所で大きな爪痕を残した。神奈川区内では2カ所で崖崩れによる被害があり、1人が負傷した。これらの被害を受け、市や区、町内会では対応の強化を急いでいる。(10月13日起稿)
神奈川区では、6日午前10時頃に1時間あたり51・0㎜の大雨となり、8カ所で家屋破損などの被害があった。菅田町でほぼ同時刻に発生した崖崩れでは、道を越えた住宅の敷地内まで、高さ3m近くの土砂が崩れ落ちた。住人は「雷のようなすさまじい音がした」と振り返る。鳥越でも11時過ぎに崖崩れが発生。アパートに擁壁ごと土砂が流れ込み、そこに住む20歳代男性が中等傷を負った。
町内会も緊急対策
2カ所とも民有地で、区総務課は「どちらも法的には問題のない土地」としている。区内に避難勧告を出さなかったことについては「崖崩れ全てを予測するのは難しく、避難勧告の出し方によっては混乱を招きかねない」と説明する。しかし、菅田町の住人は「9月にも近くの斜面が崩れていた場所。畑の下だから崩れやすかったのでは」と不安感を募らせる。菅田南町自治会の小川芳夫会長によると、以前に反対側の斜面が崩れたこともあったという。
同自治会は今回の崖崩れ発生後、防災協定を結んでいる特別養護老人ホームけやき荘に2世帯を一時避難させ、周辺住民に電話と訪問で安否確認を行った。18号の教訓を生かし、19号の接近に際しては注意喚起のビラを作成し、家庭防災員を通じて現場周辺の各家庭に配布・周知を徹底した。小川会長は「地域行事等を通して顔の見える関係づくりを、いっそう強化しなければならない」と話す。
危険な崖地マップを公表
一方、今回の被害を受け、市は避難勧告等の強化を実施すると発表。崖の高さや家屋までの距離を考慮した危険度の高い崖地などをリストアップし、「大規模ながけ崩れが予想される崖地」「宅地造成等規制法違反のある崖地」「開発等による工事が中断している崖地」に該当する203カ所を公表した(http://www.city.yokohama.lg.jp/somu/org/kikikanri/gake-map/)。各区はこのリストをもとに、県や気象台から土砂災害警戒情報の発表があった場合、当該崖地とその周辺の住民に避難勧告を発令する。神奈川区では市民防災センター付近をはじめ、松見八幡公園付近、菅田公園付近、保土ヶ谷区(上菅田町)との区界付近の計4カ所が対象となっている。
また、区は崖崩れ防止の点検を強化しており、「(県や国の予算で防災工事ができる危険な崖地について)3カ所が未整備なので、ビラなどで周辺住民に呼びかけている」としている。今後は、地域防災拠点に指定している小中学校22カ所に松本中学校、神奈川中学校、六角橋中学校を新たに加える予定で、それに合わせてハザードマップを更新する。全戸配布も検討しているという。
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