羽沢地区に住む生活保護世帯を地域で見守ろうと、羽沢地区自治連合会ら3団体で結成されたプロジェクトチームが4月25日、地域住民を招待して昼食会を開いた。4月から施行された生活困窮者自立支援法を踏まえ、町内の孤立世帯と地域をつなげる取り組みに本腰を入れる。
生活困窮者自立支援法は、単に経済的困窮だけを問題視するのではなく、困窮者支援を通じた地域づくりも目標の一つに掲げる。 法律施行にあたり、区内でいち早く取り組みをスタートさせたのが羽沢地区だ。困窮者の社会的孤立状態を解消することで真の自立を目指そうと、羽沢地区自治連合会と羽沢地区社会福祉協議会、羽沢三枚地区民生児童委員協議会が昨年6月にプロジェクトチームを立ち上げた。
アパート訪問調査
羽沢地区は農家が多く、相続税対策で建てられたアパートが多く並ぶ地域だ。交通の便が悪くなかなか満室にならないため、約30年前から区が生活保護世帯に紹介し入居させてきた。しかし、町内には何世代も暮らしてきた家も多く、馴染みのない土地に引っ越してきた人たちは地域との関わりが持てないまま孤立していったという背景がある。
これを踏まえ、PTのメンバーはこのほど、区や区社協、介護老人福祉施設若竹苑と連携し、保護世帯や孤立している住人が多いと思われるアパートを訪問調査。すると、日中酒を飲んでいるだけの男性や近隣住民とほとんど話す機会がない人が多く暮らしていることが判明した。区社協の梅木博志さんは「民生委員の手には75歳以上の単身世帯者リストしかないため、それ以外の孤立した高齢者はなかなか把握しきれないようだ」と説明する。
「きっかけ」が大切
岐部文明自治連合会長らは、そのような住人を地域とつなげると同時に、地域住民に孤立世帯の存在を知ってもらうことを目的として、調査したエリアを対象に昼食会を企画。1回目となった今回は、30〜40軒の保護世帯が住む羽沢南の一角を会場に、住民総出で準備から運営までを行った。参加者の中には、1年前に区外から移住してきた男性の姿もあった。「以前住んでいた町では地域活動に参加していた。この機会にまた自治会に加入しようと思う」と話し、過去に地域活動に参加していた人でも、きっかけがなければ孤立しかねないことも見えてきた。
岐部会長は「災害時にも役立つ取り組み。今回の結果を踏まえて、今後も活動の幅を広げていきたい」と意欲をみせている。
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