東海道区民ミュージカルで主役を演じる 杉村 杏子さん 岸根町在住 13歳
命の尊さ、二役で表現
○…鶴見・神奈川・保土ケ谷・戸塚―。かつて旧東海道の宿場町として栄えた地域住民ら31人が集い、神奈川公会堂でミュージカルを行う。このほど主役に抜擢され、現代の少女「勝俣友」と戦国時代の武士「上田蔵人」の一人二役を演じる。「歌やダンスが上手く、演技もしっかりしている」と周囲の評。8月1日の初日公演に向け、芝居の中で切り合う立ち回り(殺陣)にも挑戦中だ。
○…神大寺小を経て六角橋中に入学した。一つひとつの質問に対し元気に答える生徒だが「数年前まで手も挙げられないようなおとなしい性格でした」。友だちが出演する舞台をみて「自分も演じてみたい」と一念発起。小学5年からミュージカル教室に通い、技術を磨いてきた。部活にも入ったが「あまり活動できていません」と苦笑い。中学校で配られた今回の募集チラシに即応募。現在は週4回、各分野のプロの指導を受けている。「様々な先生がいるので、演じ方にも色々あると感じています」。
○…上杉軍2万の大群に囲まれ、切腹するか落ち延びるか。戦国時代の武将の「生」に対する葛藤を演じることで、様々なことに想いを馳せる。権現山の合戦で青木城にこもった戦国武将の生き様など、地元の歴史を勉強する必要性を肌で感じた。先日、舞台関係者らでフィールドワークを実施し、幸ヶ谷公園など物語ゆかりの地を巡った。「権現山の土が、神奈川台場の土台に使われていることを初めて知った」
○…あこがれの女優は沢尻エリカさん。「きれいだし、上手だから」。学業と演劇の両立は多忙だが、たまの休日は愛猫2匹と過ごしてリフレッシュ。手芸も好きで、猫たちに服を作ってあげる器用な面もある。戦後70年。平和が当たり前となっている世代の一人。「戦うことが当たり前の時代もあった。その当時の人たちの方が、命について深く考えていたのではないか」と神妙に語った。
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2021年2月25日号