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「民間救急」という選択肢(上) いつでも呼べる「安心」を

掲載号:2015年7月30日号

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 傷病者の搬送・移動手段のひとつに、横浜市消防局の「患者等搬送事業」がある。緊急性の低い傷病者の移動を民間が請け負う事業で、「民間救急」とも呼ばれている。救急車の適正利用が叫ばれる中「民間救急」という選択肢について考える。

 市消防局が認定している民間救急は52業者(3月3日現在)。それぞれストレッチャーや車いす、人工呼吸器などを搭載した専用の車両を保有している。車両には、サイレンや赤色灯を付けられない。あくまで緊急性の低い傷病者の搬送が中心だ。利用は有料。医療機関への通院や、入退院の際の移動手段として利用されるケースが多い。

 戸塚区のアシスト倶楽部合同会社は今年6月、民間救急の事業を開始した。車いすなどの利用が必要な傷病者の移動には、家族の車出しや手助けが不可欠。一方で家族による手助けを受けられない傷病者もいる。そんな人が気軽に移動できるようにと、事業を始めた。

 民間救急の事業者は、搬送中の患者の容態が急変したときの応急処置や、医師に容態を正確に伝える技術を講習で学ぶ。代表の前出昇さんは「救急車が呼べない場合でも、患者は安心して移動することができるのでは」と胸を張る。

 前出さんは過去に、川崎市で民間救急の事業を行っていた経験があり「横浜市は認知度がまだまだ低いと感じる」と課題を話す。川崎市は、交通手段がない患者へ民間救急車を紹介・手配する「サポート救急」という事業を2008年度から行っている。事業の利用者は初年度が延べ157人だったが、積極的な広報活動があり昨年度は同675人と増加している。

 「救急車が気軽に使えない分、民間救急をタクシー感覚で使って」と前出さん。年々増加する公的な救急車の出動件数も踏まえ「横浜市でも、広く知ってもらうための広報活動がぜひ欲しい」と話した。

(続く)

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