子安台自治会の会長として「いちょうまつり」の企画・運営に携わった 秋馬(あきば) 正弘さん 子安台在住 73歳
ひたむきにまちを耕す
○…国道1号線の左右に1丁目と2丁目がある子安台自治会。約30年前までは一之宮神社の例祭にあわせて山車をひくこともあったが、公設市場もなくなり、気付けば町内会単体での催し物はなくなっていた。災害時のためにも住民同士が交流できるようにと、子安台第二公園、通称・いちょう公園で昨年から「いちょうまつり」を始めた。「前回よりも多く来てくれたと思う。まずは回数を重ねていきたい」と冷静に分析する。
○…東京で生まれてすぐ、父親の故郷である兵庫へ。「実家は堀家住宅といって、国の重要文化財に指定されている」と、江戸時代に建てられた歴史ある屋敷で少年時代を過ごした。小学5年で再び東京へ戻り、大学では当時人気を博したワンダーフォーゲル部に入部。全国各地、さまざまな山を踏破した。思い出すのは春の屋久島。「目的地の山小屋に着いたら、雪で屋根まで埋まっていた。仕方なくテントを張って過ごしたなあ」と懐かしむ。
○…日産自動車に就職し、仕事上のパートナーだった同僚と26歳で結婚。双子の娘にも恵まれ妻の地元である子安台に居を構えたが、子会社の設立に携わった仙台をはじめ名古屋、神戸、鹿児島での単身赴任生活がほとんどだった。「勤務地周辺でもよく山登りした。最後は部屋中にあった芋焼酎の一升瓶60本を子安台へ持ち帰ってきた」と笑う。今は家庭菜園のほか、名字にちなんで馬の置物蒐集に夢中。「将来、馬の博物館に寄贈しようと思って先日問い合わせたところ」
○…実質、子安台に住んで10年ほど。前会長の勧めもあって3年前に渋々引き受けた会長職だが、「やる以上はやらなきゃ。何事も続けていくことが大事」と、行事の企画だけでなく、掲示板を見てもらえるような細かな工夫までひたむきに取り組む。来年度は公園に大型時計の設置も控える。「時間がかかっても、”向う三軒両隣”が当たり前のまちにしたい」
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