横浜市立白幡小学校(関谷道代校長/全校児童679人)が、専用の本棚に児童や地域住民がメッセージを添えた本を自由に持ち寄り読み回していく「しらはた まちライブラリー」をスタートさせた。今年創立80周年を迎える記念事業として、地域交流を深めたい考えだ。
まちライブラリーはオフィスや住宅、カフェなどの街角に本棚を置き、メッセージ付きの本を持ち寄って交換しながら人の縁をつむいでいく活動。まちづくりの調査研究などを行う森記念財団の礒井純充氏が提唱している。
同小は10年近く読書推進活動に取り組む。授業では副教材として図書館の本を活用し、図書館の貸出総数は2013年から2年間で7千冊増えた。全国学力・学習調査では国語・算数で全国平均よりも約10ポイント上回る。
これらの成果を生かして今回、「白幡小発信でまちライブラリーを作ろう」と、半年前から教員や80周年実行委員会(横田竜一委員長)らが準備を進めてきた。学校が地域を巻き込む形でのまちライブラリーは全国的にも前例がないという。
本棚作りも住民と
地域住民ら40人以上が集まり、児童とともに巣箱(本棚)作りを2月に実施。「鳥が集まる巣箱のように、自然と人や本が集まる場所にしたい」と、木材を使って8個の本棚を制作。現在は校内に設置しており、卒業生や保護者、地域住民の協力により約2カ月で100冊ほど集まってきた。
4月23日の記念集会では、図書委員が全校児童に「しらはた まちライブラリー」を紹介する劇を発表。児童はさっそく読書計画を立てた。教務主任の渡辺誠教諭は「『本を通じて人と人をつなぐ』がテーマ。巣箱作りから地域の方に関わってもらったことに価値がある」と手ごたえを話す。
校外設置視野に
児童がより多くの本に触れて地域との交流を図るため、校外への巣箱設置やPRについても既に検討が進められている。図書委員会で委員長を務める遠藤瑚春さん(6年)は「地域の人が勧めてくれた本の中からみんながお気に入りの本を見つけて、地域の人とつながっていけるようにしたい」と意欲をみせる。
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