相模鉄道(株)は8月26日、「神奈川東部方面線事業」で整備を進めているJR東日本と東急電鉄(株)との相互直通運転の開業時期がそれぞれ遅れると発表した。用地取得難航に伴う工事の遅れなどが原因で、JR直通線は1年遅れの2019年度後半、東急との直通線は22年度後半に延びる。
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が整備主体、相鉄と東急が営業主体となり整備している、相鉄線西谷駅から東急東横線・目黒線日吉駅までの区間およそ13Kmの開業時期が延びることになった。
西谷駅からJR東海道貨物線横浜羽沢駅付近に設置する羽沢駅(仮称)までを「相鉄・JR直通線」、羽沢駅から日吉駅までの区間を「相鉄・東急直通線」と称し、相互直通運転が実現することで、横浜市西部域や県央地域が都心と乗り換えなく接続される。既設路線の混雑緩和や乗換回数の減少、沿線地域への活性化への寄与も期待されている。
当初は2015年度に「相鉄・JR直通線」が開業する予定だったが、路線の付け替え工事の遅れなどから13年に開業時期を3年先延ばし、18年度内とすることが決定。今回の再延期で開業時期はさらに1年近く延び、19年度後半となる見通しだ。
工事を担当する同機構は「用地取得の難航」と「安全対策設備の検討に時間を要した」ことを遅れの原因としている。
一方、「相鉄・東急直通線」は当初、開業時期を19年4月としていたが用地の取得が難航したことに加え、想定よりも地質が軟弱なことが調査の結果明らかに。補助工法などが必要になったため、開業は4年近く遅れ、22年度の後半になる。
今回の延期で建設費は当初計画より約1283億円多い約4022億円となる。
落胆するも前向きに
直通線の開業時期再延期に、羽沢地区自治連合会の岐部文明会長は「開業間近だったのでがっかり」と肩を落とす。単身・高齢者世帯が多い一方で大型スーパーなどがないため、「駅前開発で商業施設ができれば便利になる」との期待が大きかったという。
同地区では、駅と地域をつなぐ地域循環バスの設置検討を市へ打診しているほか、人口増加を想定し防犯対策なども話し合われており、岐部会長は「新たに羽沢の住民となる人たちにも自治会活動に参加してもらえたら」と前向きに語った。
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