横浜市は12月から、私立幼稚園で2歳児の受け入れを始める。対象年齢を広げることにより、待機児童の解消につなげる狙い。スタートは2園にとどまるが、次年度以降に実施園を増やしていく方針だ。
通常は満3歳からが対象の幼稚園。「国の子育て安心プラン」に基づく今回の事業により、満2歳からの利用が可能になる。
市内の待機児童数は今年4月1日現在で63人。そのうち9割超の59人が2歳以下となっている。市では幼稚園を認定こども園へ移行させたい考えもあるが、設備や人員確保などの面からハードルは高い。そこで幼稚園の対象を広げて、待機児童対策を進める方針。市こども青少年局担当者は「育休が2年まで延長できれば、今回の事業で就学まで同じ幼稚園で過ごせるようになる」と話す。
対象は市内在住の満2歳で、保護者の就労や疾病などで保育が必要と認定された児童。受け入れ時間や利用料は園で異なるが、8時間で月額上限57200円、11時間で月額上限58100円となる。利用希望者は各園に直接申し込む。
保育環境を整備
12月から受け入れを始めるのは関東幼稚園(瀬谷区)と、やまた幼稚園(都筑区)の2園。両園では2歳児のみのクラスを編成するほか、手洗い設備など年齢に適した施設修繕も行い、12月中に受け入れを始める予定だ。
実施園には国などから運営費が、市から上限400万円までの開設準備費が補助される。さらに市では受け入れ園への研修も支援し、保育の質向上へ向けたサポートをしていくという。
実施園拡大が課題
市によると今年6月に行った事業説明会には50園以上が参加したが、12月の実施園は2園にとどまった。同局担当者はその理由を「関心は高いが、新たな事業ということで様子を見たのでは」としており、次年度以降の実施園拡大へ向け、市は個別相談などを通じて園へ働きかけていくという。
同局担当者は「事業の意義や内容をしっかりと伝え、園や保護者にとって多くの選択肢を提供できれば」と話している。
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