本紙は年頭にあたり、神奈川区の取組と今年の展望について、高田靖区長にインタビューを行った。高田区長は地域防災力の強化などについて振り返るとともに、振り込め詐欺などの被害の防止に取り組む方針を示した。(聞き手/本紙編集長・藤原裕志)
現場主義を徹底
――まずは、区政について振り返って下さい。
「地域の皆様に温かく迎えていただき、また区役所の取組にご理解ご協力をいただきまして、何とか務めさせていただくことができました。自治会町内会をはじめ、多くの区民の皆様の熱い想いが地域を支えていると実感しました。引き続き、区役所全体で『現場主義』を徹底し、地域の課題を共有させていただき、ともに考えともに行動していきたいと思います。
地域防災力の強化として、新たに『地域の防災マップ』作成支援に取り組みました。様々な世代の方々にご参加いただき、ご自身でまち歩きをして地域の危険個所などを直接確認することで、地域の防災意識の向上につながっています。
子育て世代向けの防災ガイド『大地震から子どもたちを守るために』を神奈川区PTA連絡協議会と協働で作成し、区内の公立小中学校の児童・生徒の家庭に配布しました。子どもたちの防災意識を高めるとともに、日頃からの家庭における備えや地域での助け合いについて話し合うことで、さらなる自助・共助の取組が進むものと期待しています」
――高齢者支援などの取組はいかがですか。
「『高齢者見守りキーホルダー』の配布や『認知症高齢者見守り協力店』の登録促進など、認知症理解、徘徊高齢者の早期発見、早期対応に地域全体での取組を進めました。
また、健康寿命を延ばして元気な神奈川区を目指す取組として、新たに10月〜11月を『健康かながわ応援月間』として定め、区民の皆様による様々な健康づくりへの取組を支援しました。月間では、『人生を歩ききるための体づくり』をテーマとした記念講演での実技指導や、三ッ沢公園〜反町公園まで『かめ太郎健康みち』を歩くウォーキングに加え、区役所における健康チェックを行うイベントを開催し、健康ムーブメントが大いに盛り上がりました」
――2019年度の主な取組を教えて下さい。
「家具転倒防止対策器具や感震ブレーカーの設置などの自助の取組とともに、ブロック塀の安全対策などを引き続き支援してまいります。大地震や風水害時の迅速な避難行動や被害軽減につなげられるよう、自助行動を促す取組を強化します。また、女性の視点を取り入れた防災対策の充実も重要であると考えています。女性をはじめ、高齢者等の要援護者の方々にも配慮した避難所運営の支援に取り組んでまいります。
神奈川区内の振り込め詐欺など特殊詐欺の被害金額は昨年11月末時点で2億4千万円を超え、県下最大級となっています。被害防止対策として『自動通話録音装置』の普及に向けた取組や、警察や地域と連携したキャンペーンなどを進め、詐欺被害の撲滅を目指します。
区内地域ケアプラザに設置している健康掲示板等による健康づくり情報の発信、ロコモ予防やオーラルフレイル予防のための講座を実施します。ご自身の健康状態に関心を持っていただき、健康寿命の延伸を目指した生活習慣改善の動機付けにつなげるとともに、特定検診・がん検診の受診勧奨も進めます。
地域の皆様とともに策定した『かながわ支え愛プラン』(第3期神奈川区地域福祉保健計画)は、昨年中間振り返りを行いました。地域での見守り支えあいをさらに進めるために、今年は地域の皆様とともに第4期計画策定に向けた準備に取り組んでまいります」
顔の見える関係づくり
――最後に区民へのメッセージをお願いします。
「神奈川区は古くは『かながわ湊』の時代からの歴史を誇る『横浜市の原点、中心』です。下町や商店街、臨海部のウォーターフロントに広がる近代的な都市空間、尾根沿いの住宅街や豊かな緑に恵まれた農地など、実にさまざまな魅力に満ちた本当に素敵なまちです。
先人の皆様がご苦労をされて築かれたこの町の歴史を、区制100周年に向けしっかりと引き継いでいくことが、私たちの重要な使命だと感じています。そのためにも、地域にどんどんお伺いし、地域の皆様に寄り添ってお困りごとをしっかりと受け止め、区役所の最大の強みである『顔の見える関係づくり』のなかで、一緒に汗をかいていきたいと考えています。
新しい年が皆様にとって安全安心、笑顔の絶えない一年となりますよう、地域協働の総合支援拠点としての役割をしっかりと果たしていきたいと思います」
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