横浜銀行アイスアリーナでスケートを習っている 荻原 朋子さん 90歳
情熱いつまでも
○…90歳を目前に控えアイススケートを習い始めて早1年。通りがかりにリンクの看板を目にし「やってみたい」と飛び込んだことが、これまで縁のなかったスポーツの世界に足を踏み入れるきっかけになった。普段から自宅付近の坂を上り下りしていたことで培われた足腰の筋力と、コーチも絶賛のバランス感覚を持つ。週1回欠かさず練習し、最初は手放せなかった手すりを離れて歩いたり滑走できるまでに。「練習中はすごく集中するので無我になれるんです」と魅力を語る。
○…東京生まれで、15歳の時に父の故郷である長崎に弟たちと疎開。戦時中だったため女学生ながら軍の飛行場や工場で働く日々を送ったが、持ち前の明るくお茶目な性格を発揮し、畑作業や湧き水汲み、一面に広がるレンゲソウに寝転んだりと、物珍しい田舎生活を楽しんだ。戦後は千葉に移り住み、自立を目指して薬剤師になるべくアルバイトをしながら勉学。40代半ばで開業した薬局は83歳まで切り盛りしてきた。しゃんと伸びる背筋から前向きに懸命に生きてきた姿がうかがえる。
○…興味を持ったらせずにはいられない好奇心旺盛な人柄ながら、やり始めたらとことん極める。中でも俳句は40年来の趣味で、新聞で目に留め投稿するようになったのを契機に結社にも所属。芭蕉の地など日本各地を巡りながら師の指導を受けたり、句会にも参加し精力的な日々を送る。
○…現在は息子世帯と暮らす。「健康の秘訣は食事。料理が好きなので、今も毎日3食自炊しています」と胸を張る。鰹節を削ってだしを取る本格派で、新聞のレシピを見ながら新メニューにも挑戦する。新聞も2紙購読し、連載小説が楽しみなのだとか。若々しい感性とチャーミングさが周囲の人を惹きつける。
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