消費税率が10%に引き上げられてから1カ月というタイミングに合わせ、本紙はこのほど大口通商店街協同組合(渡辺誠理事長)と六角橋商店街連合会(石原孝一会長)に、「売り上げへの影響」や「軽減税率制度における混乱」「ポイント還元制度への対応」など、消費税率引き上げ前に懸念されていた様々な影響についてインタビューした。
10月から消費税率が10%に引き上げられたことを受け、神奈川区内の2大商店街とも言われる「大口通」と「六角橋」の代表者を取材した。
消費税率8%だった9月に比べ、10%に上がった10月の売り上げに影響があったかどうかの質問に、大口通の渡辺理事長は「駆け込み購入も買い控えも少ない印象だ」。六角橋の石原会長は「2014年の増税時に比べて駆け込み購入は少なく、10月については例年と変わりない」と分析する。両商店街では、消費税率引き上げ前に懸念されていた駆け込み購入や、引き上げ後の買い控えはそれほど起きなかったようだ。
キャッシュレス半数が導入
消費税率引き上げ対策として行われたキャッシュレス決済による「ポイント還元制度」や「軽減税率制度」についても聞いた。
大口通では、店主らが対応できないとの理由から、キャッシュレス決済の導入に踏み切った店舗は半数程度にとどまるとし、「制度を理解できていないお客さんもいて、レジで混乱することがある」と話す。
一方、六角橋では、商店街主導で初期投資の少ないスマホ決済アプリ「ペイペイ」の導入を促進した。酒類や外食を除く飲食料品などの消費税率を8%のままに据え置く軽減税率制度については、「店内の飲食は10%のレジ対応だが、テイクアウトは手打ち計算で8%にしているので面倒だ」と複雑な制度に苦言を呈す。
キャッシュレス決済の増加には課題もある。両商店街の店主からは「入金日が遅くなるので、店の資金繰りが大変」「返品時のトラブルもでてくるのでは」「会計処理が複雑で困っている」など、自営業者ならではの意見も聞かれた。
渡辺理事長は「増税直後の景気の落ち込みが少なかったとしても、ポイント還元は来年6月までなので、その後が心配だ」と今後の景気を不安視する。石原会長は「増税後は節約志向になるので、さらに脱デフレ政策に取り組んでほしい」と訴えた。
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