神奈川警察署管内の交通死亡事故が、昨年を大きく上回るペースで発生している。今年は4件の死亡事故が起き、昨年1年間の5件に迫る勢い。いずれも高齢者が犠牲になっていることから、同署では高齢者宅を訪問するなどして安全意識の啓発に力を入れている。
同署の速報値によると、区内では1月に1件、2月に2件、3月に入り1件と毎月死亡事故が発生した。
事故は横断歩道付近で多発しており、時間帯は平日の朝や夕方に集中。2月の事故は、ともに薄暮時に起きた。同署は「横断歩道は歩行者優先ということを、ドライバーには今一度認識してもらいたい」と話す。
一方で、歩行者が信号無視や横断歩道外の横断により事故にあうケースも多いことから、同署では赤信号で渡らない▽斜め横断をしない▽車両の直前や直後を横断しない▽歩道のある道路では車道を歩かない▽道路で寝ない―などの基本的な交通ルールの順守を呼び掛けている。
県下死亡者数 全国ワースト
県下では、3月18日現在の交通事故による死者数が44人にのぼり、前年同時期と比べて20人増えた。2けたの伸びは全国でも神奈川県だけで、件数の推移は全国ワーストが続いている。
昨年の交通死亡事故は132件で統計開始以来最も少なかったが、同署は「このペースが続けば年間200件を上回ることも考えられる」と危機感を募らせる。
県内では、交通死亡事故抑止に向けた対策を3月29日まで実施している。横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいるのに一時停止しない「横断歩行者等妨害等違反」の取り締まりなどを強化するほか、主要交差点で通行人への交通指導などを行い、ドライバーだけでなく歩行者に対する啓発にも取り組むとしている。
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