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三ツ沢下町延命地蔵尊 色鮮やかに祠一新 塗装施し地域のシンボルに

文化

掲載号:2020年4月2日号

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通りがかった園児と地蔵を眺める高野さん(左)
通りがかった園児と地蔵を眺める高野さん(左)

 国道1号線の「島田橋」交差点そばに建つ延命地蔵尊の祠が、鮮やかな色合いに塗り替えられた。江戸時代、飢饉や疫病といった災厄をはらおうと建立された地蔵を守る「延命地蔵尊講」の講元・高野啓子さん(三ツ沢東町)は、「多発する自然災害や感染症など、当時の状況は今の時代と重なる部分も多い。こんなときだからこそ、明るい配色で地域の方に元気を届けられたら」と話す。

 延命地蔵尊は、生類憐れみの令で知られる五代将軍・徳川綱吉による統治期の延宝8(1680)年、はやり病で命を落とした子どもの供養や、健康長寿、生活安穏を祈って、三ツ沢村の有志が建てたと伝えられている。

 地蔵を祭る祠は堅牢なコンクリート造りだが、風化によるひびや塗装の剥がれなどのいたみが目立ち始めていたという。祠の塗り替えを思い立った高野さんは講の承認を得て、知人でデザイナーの室井英亮さんに塗装を依頼。3月10日ごろから作業を始めた。

 2週間ほどかけて塗装を終えた祠は、正面を魔よけの意味合いを込めた赤、内部を明るい白に塗り分け、屋根はさわやかなエメラルドグリーンに一新。散歩で地蔵の前を通る近所の保育園児らに喜んでもらおうと、天井には地域の伝説にちなんでカッパを描いた。高野さんは「子どもたちにも、お地蔵様が地域を見守ってくれている存在だと感じてもらえたら」と笑顔を見せる。

信仰を次代につなぐ

 延命地蔵尊講は戦後、区内を流れる滝の川に流されていた地蔵を吉池喜之助さんが引き上げたことが縁で結成された。喜之助さんの死後は、妻ノブさん、そして息子の喜次さんが講元を引き継いできた。

 しかし組織の高齢化もあり、2018年には毎年実施している例大祭が中止に追い込まれた。三ツ沢で生まれ育ち、6年ほど前に帰郷した高野さんは地域の伝統を絶やすまいと再開に尽力。今年1月に講元の喜次さんが他界すると、「ささやかな祈りの場が続くように」と、講元を引き継いだ。

 「塗り替えられた祠を見た近所の方が、『雰囲気が明るくなった』と喜んでくれるのがうれしい」という高野さんは、日ごろから自発的に祠の周辺を掃除する人や出勤前に線香をあげる人の姿を目にすることも多いという。「これまで地蔵尊を守ってきてくれた先人、そして地域の方々の思いを受け継ぎ、次の世代に伝えていくのが私の役割だと思っています」といい、信仰のバトンを後世につないでいきたいと話している。

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