神奈川保護司会の会長を務める 天野 幸江さん 六角橋在住 72歳
更生、寄り添い見守る
○…犯罪に手を染めた人に手を差し伸べ、更生に向けた支援を行う保護司会で20年近く活動する。「犯罪を繰り返すことのないよう、本人と向き合いながら生活を一緒に考えていくことが私たちの役割。接し方一つでその人の人生に影響を与えるという責任感を持って活動にあたっています」。会長に就任した今年、その思いを一層強くする。
○…保護観察中や少年院を出所した未成年、執行猶予期間中の人などと定期的に面接を行い、更生に向けた指導や生活上の助言、就労支援などに関係機関と連携して取り組み、社会復帰の手助けをするのが保護司の役割。子ども会や青少年指導員などの経験を通して子どもたちの育成に関わってきた経験から、活動に興味を持った。「自分に務まるかと不安もありましたが、保護司として活動していた夫の兄から『最後は子どもの力だ』という助言をもらい、気持ちが楽になりました」という。
○…バスに乗車中、保護司として更生に携わった男性に偶然再開したことがある。当時16歳だった少年は20代後半になり、就職して忙しく働いていると報告された。「その時は本当にうれしかった。少年院から帰ってきた坊主頭の少年が、『僕はもうしません』と話してくれたのが懐かしくて」と慈愛に満ちた表情で振り返る。
○…保護司会に加入以来、いかにして再犯を防いで円滑な社会復帰につなげるかを思案し続けている。「施設から出てきても、受け入れる環境がなければ本人は社会から弾き飛ばされてしまったという気持ちになるでしょう。家族によるサポートはもちろん、私たち保護司に対する理解が深まることで、『更生を地域で支える』という考えが広まれば」
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