神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
神奈川区版 公開:2020年9月17日 エリアトップへ

神奈川小児童 障害者理解の意識養う パラアスリート田中選手招き

教育

公開:2020年9月17日

  • X
  • LINE
  • hatena
田中選手(右手前)の掛け声に応じて向きを変えるブラインドゲーム。アイマスクを着けた児童は徐々にばらばらの方向を向き出した
田中選手(右手前)の掛け声に応じて向きを変えるブラインドゲーム。アイマスクを着けた児童は徐々にばらばらの方向を向き出した

 2021年東京パラリンピックに開催国枠として初出場する5人制サッカー(ブラインドサッカー)競技で、日本代表入りが有力視されている田中章仁選手と児童の交流プロジェクトが、7日に神奈川小学校で開催された。参加した6年生は、「障害があっても、みんな同じ人間、同じ仲間」と語る田中選手の言葉に耳を傾け、共生社会に対する理解を深めた。

 同校は、スポーツ庁が全国の自治体に委託している「オリンピック・パラリンピック・ムーブメント全国展開事業」のモデル校として、オリンピック・パラリンピックに関連した教育に取り組む推進校の一つ。来年8月のパラリンピック開催まで1年を切るなか、他者との共感や障害者スポーツへの理解、柔軟な考え方を養う機会として横浜市が主催した。

 6年1組の児童を対象に実施された交流プロジェクトでは、田中選手がブラインドサッカーや自身の障害について説明。講演の最中には、田中選手の鼓動を手で感じられる触覚体験や、リアクションを伝えられる触覚テーブルと呼ばれる装置を使って児童と田中選手がコミュニケーションを図る場面もあった。

 田中選手は、「点字ブロックの上に人が立ち止まっていたり、自転車や看板が置いてあったりするとぶつかってしまいます」「信号を無視して横断歩道を渡る人がいると、歩き出す音で青と勘違いしてしまうことがあります」と、日常生活で注意を払ってほしいことを伝えたほか、視覚障害者から誘導を頼まれた際のポイントも説明。介助が必要な人の手を自分の肩やひじに置いてもらう、一歩前を歩くといった心がけについて、児童は真剣な表情で聞き入っていた。

 駅のホームで2度転落したことがあるという田中選手は、「人が多くてまっすぐ歩けないと、方向感覚を失ってしまいます。立ち止まってきょろきょろしていたり、同じところを行ったり来たりしている場合は困っているサイン。皆さん声をかけてあげて」と呼び掛けた。

伝える難しさ実感

 後半は、アイマスク姿の児童が「赤は右」「偶数は左」といった指示に従って正しい方向を向く「ブラインドゲーム」や、田中選手が行うストレッチの姿勢を、代表児童の説明をヒントに他の児童が真似する「ブラインドストレッチ」に挑戦。交流を終えた児童は、「伝えることってすごく難しいと思った」「障害を持っている人が感じている怖さを知ることができた。自分の目を大切にしたい」と振り返った。

 田中選手は「鋭い質問もたくさん上がり、みんな興味を持って聞いてくれていたんだと感じた。視覚障害者がどんなことに困っているのかを知ってもらい、見えなくてもちょっとした工夫でいろんなことができるということを感じてもらえたらうれしい」と話した。

鼓動触覚体験のようす
鼓動触覚体験のようす

神奈川区版のトップニュース最新6

工場見学が累計30万人

日産自動車横浜工場

工場見学が累計30万人

愛され続けて90年

4月25日

DX対応でサイト新設

地域子育て支援拠点

DX対応でサイト新設

6月開始のアプリと連携も

4月25日

謝金、倍額に引き上げ

特別支援教育支援員

謝金、倍額に引き上げ

ニーズ発掘し、人員確保へ

4月18日

デジタル端末貸与を実現

神奈川工業高定時制

デジタル端末貸与を実現

地元企業連携では全国初

4月18日

追突事故が増加中

神奈川警察署管内

追突事故が増加中

15日まで交通安全運動

4月11日

障害者診療「限界近い」

横浜市歯科保健医療センター

障害者診療「限界近い」

二次機関拡充求める声も

4月11日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月18日0:00更新

  • 2月29日0:00更新

  • 2月15日0:00更新

神奈川区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

コラム一覧へ

神奈川区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月26日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook