特別対談 地域をつなぐ、新時代の商店会 自民党横浜市会議員 ふじしろ哲夫
JR大口駅東部で昨年誕生した「大神商店会」。従来の商店街とは一線を画し、地域に求められている新たなコミュニティーをつくることが目的という小野寺知恵会長と、市会議員という立場から地域を見つめる藤代哲夫氏が新時代のまちづくりについて対談した。
藤代 新しい商店会を立ち上げるという大きなプロジェクトの先にある、コミュニティーづくりや地域の発展に対する思いをお聞かせください。
小野寺 大口駅の東口側は再開発でお店や企業の入れ替わりが進み、マンションも建って若い世帯が増えるなど大きな変化が生まれています。それだけに、子どもからお年寄りまで、誰もがよりどころと感じてもらえるようなコミュニティーをつくることがこの地域に求められているのではないかという思いが、商店会設立のきっかけでした。
藤代 コロナ禍の今だからこそ、自分たちが住むまちをもう一度見直し、コミュニティーの大切さを考えるべきですね。その上で核となるのは、やはり商店街のような地域に根ざした存在だと思います。
小野寺 商店街のある大口駅西口と違い、この地域は商店が広範囲に点在しています。それなら、商店にこだわらずに企業や学校、施設、個人など、誰でも参加できる商店会にしようと考えました。ご近所付き合いの機会が減る中で、子育てや介護、暮らしの中での困りごとなどを気軽に相談し、支えあえるコミュニティーづくりを通して、そこに行きたくなる、そこにいる人たちに会いたくなるような雰囲気がまちの中に生まれたらいいなと考えています。
藤代 地域の人たちの意識も含めたまちづくりということですね。そのような取り組みを通して、地域の発展や住みやすさにつなげようという考え方は本当に素晴らしいと思います。
小野寺 まちやコミュニティーは、そこに関わる人たちがつくり、育てていくものだと思うんです。関わる人たちみんなが「ここが私たちのまち、コミュニティーだ」と感じられるよう、少しでもいい環境を整えていくきっかけを提供していきたいですね。
まちづくりの思い共有無理強いのない関係性
藤代 昔は地域に根付いた人たちがたくさんいて、そういう人たちが商店街や地域をつくってきました。一方で若い人たちが多く移り住んできた地域は、そういう人たちにもまちづくりに対する考えを共有してもらうことが大切です。治安や子育て、高齢者支援など、全ての面において地域コミュニティーが必要なことはいうまでもありませんが、そこに若い人たちをいかにして巻き込んでいくかが課題ではないでしょうか。
小野寺 大神商店会では、これまでの体質や考え方とは全く違う、新しい時代のまちづくりをテーマに活動しています。無理強いはせず、一緒にこういうことができたらいいですねという思いに賛同していただければ、お互いに協力していきましょうという関係性を大切にしているんです。例えば、大神商店会でも高齢者支援や子育てを地域ぐるみで行うことを大きなテーマにしていますが、若い人たちの中には社会の役に立ちたい、ボランティアがしたいと思っている人もいるはずです。そこで、神之木地区センターや地域ケアプラザとも連携し、お互いをつなぐマッチングのような役割を担いたいと思っています。ボランティアに限らず、さまざまな地域活動に取り組んでいるグループも多い中、サークル活動で終わらせるのではなく横の連携につなげられるようにサポートするなど、交流の橋渡しを担っていけたらいいですね。
藤代 新たな地域コミュニティーの形を期待させてくれる、とても意義のある活動です。古くから住んでいる人も新しく移り住んできた人も、自分の地域のことが気にならない人はいないでしょう。そういう人たちに実際にまちづくりに参加してもらうことで、点が面となり神奈川区全体の発展にもつながっていく。商店街が地域の発展に寄与してきたことは、まちづくりの歴史から見ても間違いありません。コロナ禍の中、物事を後ろ向きに考えてしまいがちな雰囲気の中で、 新しい商店会がこの地に誕生したことが現状を変えるための起爆剤になることを期待しています。
企画・制作▽ふじしろ哲夫事務所【電話】045・439・3535
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