ビーチテニス選手の土肥弘幸さん(36・栄町)と宇佐美力さん(27・茅ヶ崎市)ペアが、4月にアラブ首長国連邦のラアス・アル=ハイマで開催された「ITF国際ビーチテニストーナメント」で日本人ペア初のベスト8に輝いた。
ビーチテニスは、ビーチバレーとテニスの特性を併せ持ったスポーツで、パドルと呼ばれる短いラケットとテニスボール大の柔らかいボールを使ってビーチバレーと同じ広さのコート上で行う。同大会はレベルに応じて6段階に分かれ、土肥さんペアは上から2番目の「BT200」クラスに出場した。
格上にもひるまず
宇佐美さんとは久々にペアを組んだといい、反応の良さを生かしたディフェンス力で息の合ったプレーを展開。強豪国として知られるイタリアのペアと当たった初戦では、2018年の世界チャンピオンと世界ランク33位の格上ペア相手に2対1で勝利した。「両選手とも対戦経験があるのでプレースタイルは分かっていた。勝ち負けの結果は考えず、しっかりと作戦を立てて愚直に実行しようという気持ちで臨めたのが良かった」と土肥さんは振り返る。
ロシア人ペアとの2回戦は、接戦ながら重要なポイントをものにして2セットをストレートで奪った。準々決勝で敗退したものの、日本人ペア初の8強入り。「ベストを出せれば海外のトップ選手とも対等に戦えることを証明できた」と手応えを感じた一方、「この先の結果を出すためにはまだまだ実力不足と感じた」と、世界の壁も痛感したという。
コロナ禍でも成長実感
中学校で軟式、高校大学時代は硬式テニスをプレーしていた土肥さんは、2013年にお台場で開かれた体験会でビーチテニスと出会った。現在は会社を経営しながら競技を続け、茅ヶ崎市の鵠沼海岸などで週に4回程度トレーニングに励む。国内の強化選手としてイタリアやスイス、タイ、UAEの国際大会に出場し、優勝経験もある実力派だ。
新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう中、「国内や海外の遠征が続く生活を送っていたので大きな喪失感を感じた」という土肥さん。それでも、大会に出場できない期間は自分のプレーを大きく見直すチャンスと捉え、徹底的に練習を積んだ。「大会がなかった間に怠らなかった練習が、今回の結果に繋がったことは間違いない」と、自身の成長を実感した1年でもあった。
身近な生涯スポーツに
ビーチスポーツの認知度を広げるため、競技の魅力を多くの人に知ってもらうことも土肥さんたちの願いだ。「聖地」と呼ばれる鵠沼海岸では、週末になると初心者から競技選手まで幅広い層のプレーヤーがビーチテニスを楽しむ光景が見られるという。「ビーチテニスは生涯スポーツ。競技としてプレーしなくても、ビーチで走って跳んでボールを打っていれば、誰もがエンジョイできる。本気で打ち込めることを探している人は、是非一度体験してほしい」
28歳から競技を始め、36歳で自己ベストともいえる結果を出した土肥さん。「まだまだ競技者として上を目指していきたい」といい、世界一を決める「ワールドチャンピオンシップス」で表彰台の頂上に立つという目標に向けて砂浜に立つ。
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