アート教育団体「EduArt(エデュアート)」の代表を務める 望月 実音子さん 区内在住 42歳
アートでより良い社会を
○…世界で起きている環境や人種問題などについてアートを通して考えてほしいと、子どもに向け啓発活動を行う団体「EduArt」を今年4月に設立。5月末に青木小で初授業を実施した。「アートには”正解”がなく、言葉にするのが苦手でも表現ができる。柔軟な視点や発想を伸ばしながら、小さな頃から社会問題にも取り組むきっかけになれば」と意気込みを話す。
○…商社勤めの父の転勤で、生まれてすぐに渡米。5歳で日本に戻るが、日本語が上手く話せず周囲に溶け込めなかった。そこで心の支えとなったのがアートだった。「ずっと絵を描くか物を創っているような子でした。あまり勉強はできなかったけど」と笑う。中学2年生ではオランダに移り、高校3年の時には香港に。その後アメリカの美大に進学し、そのままアパレルデザイナーとなり、20年近くを海外で過ごした。「外国人といるうちに、自分を表現する上でためらうことはなくなりましたね」
○…米国人と結婚し、出産を機に2012年に帰国。保育参観で美術作品を見本通りに作る園児たちを見て、「このままでは子どもの表現や感覚の幅が狭まってしまう」と危機感を覚えた。協調性が求められる日本でも自由に表現ができる場を作ろうと、6年前に他のアート団体を創設。更に多くの子どもへアートを届けるべく、今春に新団体を立ち上げた。
○…「SDGsが立ち向かう問題には、正解があるわけではない。そこで柔軟な視点や発想が養われるアートによる教育は、今の時代に効果的」と力強く語る。「またアートは常に社会を映しながら、常識を覆す役割を果たすと思う。未来を明るくするためにも活動を広げたりアーティストを巻き込んでいきたい」
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