医療機器メーカーの(株)ゼオシステム(下川三郎代表取締役)=二ツ谷町=がこのほど、横浜市の助成金を活用して開発したモバイル尿流量計の実証実験費用を、クラウドファンディング(CF)で調達する取り組みを始めた。莫大な費用がかかる金型代には補助金がなく、CFを通じた排尿障害の遠隔診療モデル構築に挑戦する。
同社は1990年に創業。光と磁気の技術を用いて医療機器の開発に参入し、東京大学の産学連携プロポーザル企業に選ばれたのを契機に、2013年からポータブル尿流量計「Freeflow」の製作を進めてきた。
完成まで5年
高齢化の進む日本にあって、排尿障害の受診率は非常に低いのが現状だ。
同社はその原因の一つに、排尿検査に対する嫌悪感があると考え、患者が自宅で簡単に測定できる製品を、横浜市の助成金などを活用して作り上げた。
下川代表は「商品開発に協力してもらう医師との関係づくりに苦労した。試作品は3年目に完成したが、医療機関から衛生面を指摘され、さらに完成まで2年を要した」と試行錯誤のエピソードを振り返る。二人三脚で歩んできた妻の下川信子さんは、15年から2年間、神奈川大学の研究室で尿流量計をテーマに共同研究に励んだ。
製作費用は1台約150万円。約2000万円かかる金型代には補助金が適用されず、「まずは診療現場での有効性を検証しよう」と、医療機器コンサルタントの仲介でCF(【URL】https://faavo.jp/kanagawa/project/2726)の導入に踏み切った。目標額は実証実験費用の65万円だ。下川夫妻は「自宅で尿流量を検査できる機器を普及させ、それを基に遠隔で医師が判断、対処できるスキームを検証したい」と意気込んでいる。
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