神奈川区獣医師会の会長に就任した 平田 吉治さん 西寺尾在住 62歳
「15年の命」と真剣に向き合う
○…神奈川区獣医師会の会長にこのほど、就任した。所属会員は19人。狂犬病予防啓発やペットがいる家庭での災害時対策など区役所と連携して取り組む。「狂犬病の予防接種を受ける人が激減している」。1957年以降国内で発症事例はないが、東南アジアでは年間5万5千人が死亡。グローバル化が進む日本にいつ持ちこまれてもおかしくない状況のため、「狂犬病の予防接種は受けてほしい」と呼びかける。
○…西寺尾に生まれる。当時は一面田んぼが広がっており、生きものに溢れる場所で遊んでいた。浅野高校に進学し、水産系の大学進学を考えていたが、偶然友人の代わりに受けた模試の結果が良く、志望校を転換。麻布大学獣医学部に進学し、獣医師の道を歩んだ。大人になり、友人に獣医師だと告げると「おまえらしいな」と言われたと振り返る。
○…大学を卒業して2年後、西寺尾に動物病院を開業した。現在は、犬や猫を中心に診察している。なかには、虐待や病気の発見が遅れ、運ばれてくるペットも多い。「犬や猫を飼うのは簡単なことではない。一つの命を預かる覚悟を持ってほしい」。獣医師になって大切にしていることは、飼い主さんとしっかりコミュニケーションを取ること。「犬や猫は自分で症状を言えません。15年間の命は飼い主さんにかかっていますからね」。
○…今は妻と娘の3人で住む。大学生の娘は父の背中を追っている最中だ。空き時間には、自身が耕す畑で農作業。今はゴーヤやオクラが採れるという。2011年には、俳優の錦戸亮さんが主演を務めた『犬を飼うということ』のロケ地として動物病院が使用されたこともある。「ちょっと年季が入った感じがよかったみたい」と自慢げに話した。
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