神奈川消防署(武笠基和署長)は、10月4日、浦島公園横にあるJR東神奈川駅の電車停留場で列車内に塩素ガスが散布されたことを想定したテロの対応訓練を行った。神奈川警察署や横浜救急医療チーム(YMAT)など6機関13隊が参加し、連携を確認した。
同訓練は2019年のラグビーワールドカップや20年の東京五輪パラリンピックなどの開催に向け、テロ対策の強化を目的に実施されたもの。JR東神奈川駅はターミナル駅の機能を有しており、イベント時には多くの人の利用が見込まれることから訓練地に選ばれた。
JR東神奈川駅の協力により、JR横浜線の車両を利用。列車内で化学物質が散布され、負傷者が多数発生している状況を想定した。
訓練は神奈川消防署の谷本和夫警防第二課長=人物風土記で紹介=の指揮のもと、列車2両目で塩素ガスが発生した状況から開始した。JR職員が列車を緊急停止させ、列車内から外へ出る避難経路を確保。動ける乗客を列車外に設けた避難エリアへ誘導し、現場状況を谷本課長に報告した。
谷本課長の指示で、酸素マスクや防護服を着用した市消防局の特別高度救助隊の検知部隊が登場。散布された化学物質の種類、濃度を検査し、現場で救助できる範囲を指定した。同局の救助部隊が重傷者を担架で運び、塩素の除染や救護活動を行った。その際、テロ災害時の捜査や救助を行う神奈川警察NBCテロ専門部隊も参加し、重症者を運ぶ救助活動で連携した。運ばれた救助者は消防署員らによりトリアージが行われ、重傷者はYMATが対応した。
訓練を見守った高田靖神奈川区長は「各機関の連携を見ることができ、頼もしく思えた。これからも人命を守るためご尽力いただきたい」と話した。武笠消防署長は「各機関の連携により、課題も見えた。それぞれで果たすべき役割を再考し、今後に繋げていただきたい」と講評した。
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