聖マリ医療救護班 被災地での活動を終える 気仙沼出身の小野寺医師の声受け 総勢100人強
聖マリアンナ医科大学(区内菅生)の災害医療救護班が、被災地での医療活動を終え、このほど帰還した。活動は3月から2ヵ月半に及んだ。同医大病院の脳外科医で宮城県気仙沼市出身の小野寺英孝さんは「忘れられない思いをした」と振り返る。
「何かしなければ」―東日本大震災の惨状を報道で目の当たりにした聖マリ医大病院勤務の小野寺さんは「何かしなければ」という思いに駆られた。大学に「現地に向かいたい」と相談したところ、大学側から薬等の物資や人員の協力があり、19班100人強の医療救護班を気仙沼に派遣。小野寺さんはその第1班として3月18日気仙沼入りした。
瓦礫の山を見て「呆然とした」と現地入り直後を振り返る。「自分の力では何もできないのではないか」という思いを振り切り、気仙沼沖の東北最大の有人島である大島の小学校で診療所を開設。そこで診療を始めたほか、「診療所に来られない人も助けたい」と積極的に往診も行ったという。
災害医療を経験して思うことが、医療従事者が災害時に何をするのかを意志統一しておくべきということ。全国各地から医療従事者が集まる災害医療現場では即断が必要な場面が多い。しかし、考え方一つで対応に違いがでて混乱することもある。「現場で何ができるのか、何をしたらいいのかを考え協力体制で臨めるようにする必要がある」と話す。
市民側は、自分の治療歴がわかるようにしておくこと。的確な治療をするためにも「薬手帳や血圧手帳で、自分の体の状態を示せるものがあるといい」と話す。
また、医療だけでは根本解決にならない現実にも直面した。「例えば不安で眠れない患者さん。不安の原因は家族との死別や帰る家がないことだから、薬や治療だけでは解決にならない」という。行政などとの連携で早く元の生活に戻れるような支援も必要だと話す。
これからは、の問いに「まずは地元で医師としての仕事を全うすること」とした上で「被災地で目の当たりにしてきたことを伝えていくのが役割だと思っている」と話した。
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4月19日
4月12日