川崎市北部の高度先進医療をけん引する聖マリアンナ医科大学病院。年間利用者数が約64万人にも上る同院を取りまとめるのが4月に病院長に就任した幕内晴朗さんだ。同院の理念”愛ある医療を提供する”を前提に、幕内さんは”満足度”を追及している。
「必ずしも治療結果と満足度は一致しない。患者さんの病を治せても治療途中で不快な思いをさせてしまえば、心の傷は残ってしまう。全ての方に笑顔になっていただくことが私の使命」。
そのためにも全スタッフのコミュニケーション能力を上げていくことが大切だと考えている。「クレームの8割はコミュニケーション不足が原因。患者さんやご家族の声をきちんと聞いていきたい」。
具体策として5年前から患者の意見や要望、事例を集めた院内専用サイト「e─ラーニング」を活用し始めた。情報開示や共有する必要がある案件を同サイトにまとめ、短時間にスタッフが確認して改善を図る。この繰り返しが満足度アップにつながっていく。
スタッフ一人ひとりをサポートすることも大切だと感じている。「それぞれの本領を発揮できるよう、環境を整えていく」と話し、まずは今年、スタッフ用の保育所を設立するという。
再建プロジェクト始動
大学病院のリニューアルも構想中だ。研究や教育、診療を同時に行う同院にふさわしい形を探るため、中堅職員を中心にプロジェクトを立ち上げた。「これからを担う社員らが病院への夢を語り合える場を作る」。任期は3年。未来への土台作りに励んでいる。
聖マリアンナ医科大学病院―74年、菅生に開業。93年からは地域医療の連携を担う特定機能病院に認定されている。提携病院は市立多摩病院(多摩区)や東横病院(中原区)、横浜市西部病院など。
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