宮前区社会福祉協議会の新会長 浮岳(うきおか)堯仁(ぎょうにん)さん 馬絹在住 69歳
僧侶である前に、人として
○…本業は馬絹にある天台宗「泉福寺」の住職。4月17日付けで新会長に選ばれた。開口一番、「長く会長を務めるつもりはないんですよ」と笑顔で話す。それは「組織は常に活性化していくべき」という自身のポリシーから。会長として「どこまでできるかは分からないが、多くの皆さんの意見を聞いて活性化させていきたい」と抱負を口にする。
○…高齢者や障害者、子育て支援、生活福祉をはじめ、地域福祉を支える重要な役割を担っているのが区の社会福祉協議会。活動には地区社協ほか区内の多くの団体や区民がたずさわる。そこにあるのは共生や共助などボランティア精神。「もしも自分が年をとったら、障害者になったら。そうした不安を安心に変えること。それを目に見えるかたちにすることも福祉には大切なことだと思う。支える人の励みにもつながるから」と語る。
○…家業を継ぐ前、川崎市の職員として20年以上、福祉の現場に数多く携わってきたことが現在の活動につながっていると話す。人権擁護委員や地区社協の活動も長い。「僧侶だからね。世のため人のため、困っている人のために働くのは当たり前。でもその前に人として何ができるか」。そう、常に自分に問いかける。めまぐるしく変化する社会の中で、様々な悩みを抱える人を救うこと。「多くの人に社会福祉に関心を持ってもらえたら」と力強く語る。
○…趣味の落語が高じて、寺では長く落語会を開いている。毎年5月のチャリティーバザー「我楽多市」なども「人が集まる寺」をめざす一環。副住職を務める息子が留学した縁でスリランカの津波被害の救済活動や幼稚園建設にも力を尽くしている。境内の石碑には天台宗の教え「一隅を照らす」の文字が刻まれている。その意味は、1人ひとりがそれぞれの置かれた立場で精一杯努力し、周囲を光り輝かせること。「自分の人生もこれに尽きるんでしょうね」
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3月22日
3月15日