川崎漁協組合 多摩川のシジミ・アサリ出荷へ 市北部市場を通して販売
川崎区の多摩川河口とその沖合で採れるシジミ、アサリを、川崎河川漁業協同組合(井口文雄理事長)が『江戸前羽田シジミ』『江戸前羽田アサリ』とブランド化し、川崎市北部市場に卸す。同組合が、海産物を市場に卸すのは今回が初めて。
多摩川河口付近にはシジミ、アサリが昭和初期頃まで多く生息していたが、汚染水などの流出により徐々に姿を消していった。しかし、浄化施設による川の水質改善で、多摩川河口のシジミ、アサリの繁殖力が高まり、7年前から多摩川河口域で再びシジミ、アサリが採れるようになった。近隣の漁協からのデータによると現在の漁獲量は年間およそ80トンから100トン。
川崎漁業協同組合では9月1日付で漁業権を獲得。11月上旬に賛同する組合員が集まり、『江戸前羽田シジミ』『江戸前羽田アサリ』として宮前区の市北部市場に卸すことを決めた。
同組合の安住三郎(中原地区長)さんによると、「多摩川のシジミ、アサリは貝の模様がくっきりしているのが特徴。また、味もしっかりしていて深みがある」という。現在は北部市場との交渉は終了し、以前から多摩川のシジミ、アサリを卸している太田漁協から出荷までのノウハウを教わるなどして体制を整えている。
シジミは年内、アサリは来春の初出荷を計画している。シジミは採捕したその日のうちに北部市場に運ばれ、翌日の競りを通じて市場に出す。
安住さんは今回の事業について、「漁業組合として初めての試みなので、念入りに準備している。今までは、個人で採捕した人しかなかなか食べることができなかった、多摩川河口の貝類が一般家庭に流通したら嬉しい。今はシジミが美味しい季節、そして春になると今度はアサリが旬になる。ぜひ、食卓に取り入れてほしい。また、今回の件で一般の方の採捕が禁止になるわけではないので、来春も市民が潮干狩りを楽しめる場所としたい」と話す。
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3月22日