行政機関が保有する地理空間(G空間)オープンデータを使い、地域の魅力向上や課題解決をする取組みが宮前区をモデルに昨年10月から行われてきた。実用化を目指し、創出された9つのアプリケーションサービスが先月21日、川崎市役所で披露された。優秀作には国交省や川崎市長からの賞も贈られた。
これは国土交通省事業の一環で、「G空間未来デザインプロジェクト」として慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(神武直彦教授)を中心に進められてきた。市民、行政、企業、識者らが宮前区を舞台にアイデアを出し合い、チームを作ってアプリ開発、普及へ向けた仕組みづくりを行ってきた。
今回披露されたのは実際にオープンデータを活用し、対象者や今後のシナリオなどサービスの具現化まで考えられた9つのアプリ。宮前区の坂の多さに注目したものでは、勾配情報を利用して累積高低差を記録できるトレーニングアプリや、位置情報と連動して区民の思い出や写真が載った「坂カード」を手に入れられるアプリなどが発表された。また区内の子どもの多さに注目したものでは、場所と連動してクイズやカルタを作れるアプリや、高齢者が「妖怪(見守り隊)」となって子どもと交流できるアプリなどユニークなものが登場。発表後には、審査・表彰が行われた。
神武教授は「別の地域でも役立ちそうな仕組みが創出された。持続的にやっていくため、さらに議論していきたい」と話した。今後はチームごとに実証実験や協力スポンサー探しをするなど、実用化を目指す。
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