市政報告Vol.5 特養待機者問題、真の解消は?/区アクセス改善の一歩 川崎市議会議員 矢沢たかお
第2回の市議会定例会が6月21日に閉会しました。今回は主に特養待機者の問題、区役所アクセスの改善について市に質しました。
特養待機者川崎4822人
平成26年3月に厚労省は、全国で特別養護老人ホーム(特養)に入所できない高齢者が52万人を超えると発表し、待機児童問題と同様、もう一つの「待機」として大きく注目されました。この特養待機者数は、川崎市では本年4月で4822人いると発表されています。市整備計画では、居宅サービスの拡充などを考慮に入れながら、今後さらに定員枠を増やす為、一定の特養整備を推進する予定となっています。
施設の拡充は問題解決になるのか
この課題について独自に地域の特養施設に現状を聞くと「待機を感じられない。むしろ利用者を求めている」との声もありました。
この差は何か。調査を進め見えてきたのが、特養待機者数の実態把握が十分ではないということでした。
特養は医療を提供する場ではないというのが基本にある以上、医療的ケアが必要な方の受入は、施設側の能力に大きく左右されます。
市の発表は申込者の実態に関係なく利用希望者の人数であり、申込者の状態を考慮した数字になっていません。今回の定例会でその実態を市に示し、待機者4822人の状態の内訳を尋ねたところ「把握していない」ことがわかりました。
必要なのは実態調査と詳細な分析
数字だけをみて「特養を増やして解消を」という声もありましたが、医療的なケアや処置の必要性、虐待の有無など、待機者数の実態調査と詳細な分析が出来ていない現状の把握から始める必要があると考え、市に促しました。市からは、入居申込者の状態像を正確に把握する手法を検討し、実態を調査、真に入居を必要とする方の把握に努めて入退去指針に反映していきたいと答弁がありました。
区役所アクセス問題改善の一歩
もう一つが区役所へのアクセスの改善です。現在の宮前区役所へのアクセスは、地域によって格差があります。一本のバス路線で行くことができる地域もあれば、乗り継ぎや電車等の交通機関を経由しないと、たどり着かない地域もあります。市民サービスへの公平性を考えた場合、この格差是正は必要と考えます。
昨年6月の議会でもこの課題について触れ、今回改めてこのアクセス改善の進捗を尋ねたところ「現在、登戸駅から五所塚、平、初山地区を通り菅生車庫までいく路線を区役所まで延伸することを検討中で、2017年度の運行開始を目指す」と答弁を得ました。一歩前進ではありますが、まだ交通不便地域はあります。今後も交通環境の充実に向けた働きかけを進めていきます。
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4月19日
4月12日