2016年に始まった川崎の地酒を復活させるプロジェクトが実を結んだ。一般社団法人カワサキノサキ(田村寛之代表)が中心となり市民らと協働で酒米作りを進め、市内産の米を使った地酒「出穂(しゅっすい)」が完成。先月から販売を開始している。
川崎市内では02年頃、麻生区で生産した酒米を使った地酒「田ゆう」が販売されていた。市内農家らが連携して酒米作りを進め完成した「田(でん)ゆう」だが、農家の高齢化等により12年頃に生産を中止。幻の地酒となっていた。
復活プロジェクトのきっかけとなったのは、川崎の活性化に取り組む(一社)カワサキノサキの田村寛之代表が「田ゆう」の発起人の1人で、宮前区で梨農家を営む持田正さんに出会ったこと。川崎に地酒があったことを知り「復活させたい」と知人の農家らに相談。賛同した有志らにより復活プロジェクトがスタートした。
市民に呼びかけ、飛森谷戸(宮前区初山)の田んぼで田起こしから田植え、稲刈りを実施。約80人の市民らが参加した。同法人の西山雅也さんは「地酒復活はもちろんだが、プロジェクトを通して当時の先輩農家や若い世代が繋がるきっかけになればと考えていた」と話す。今後は休耕地等を活用して酒米の収穫量を増やすなど、農業の活性化にも繋げたい考えだ。
完成した酒は「出穂」と命名。1800ミリリットル3200円、720ミリリットル1700円(税別)でたけくま酒店(幸区)、スーパー大野屋(小杉店、元住吉店、長尾店、武蔵小杉東急スクエア店)で販売している。
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