2019年の年頭にあたり、小田嶋満宮前区長にインタビューを行った。区役所など移転の可能性を含む「さぎぬまプロジェクト」など昨年の振り返り、新年の抱負を聞いた。(聞き手/宮前区編集長山田洋平)
―就任2年目となる昨年を振り返って
2年目ということで地域の状況がより良く分かった。関係も深まり、しっかりまちづくりが進められた。象徴的だったのは天候の影響が大きい一年だったこと。台風や豪雨、大雪。避難所開設、倒木被害などが各所にあった。そんななか、区民主体のイベントが天候に恵まれ、多くの人に参加いただいた。宮前区の良さ、温かさを実感していただきながら、区民同士のつながりが深まった。私は晴れ男なんです(笑)。区の総合防災訓練も天気に恵まれ、多くの人に参加いただいた。防災意識が高まり、いざという時の地域での支え合いの大切さを実感してもらいながら、活動も活発になってきていると感じた。
―昨年の宮前区にとって「さぎぬまプロジェクト」は一番の大きなニュースだった。宮前区としてどのような位置づけで事業に取り組んできたか
宮前区がめざす「参加と協働によるまちづくり」「誰にとっても住みよいまちづくり」「住みつづけたいふるさと宮前区」。それを目指すに際し、宮前区全体の中長期的なまちづくりという観点、つまり未来の宮前区全体の利便性を高め、活性化することにつながる大変重要な取り組みと位置付けてきた。
―地域によって区民の対立構造が生まれているように感じるが見解は
住んでいる地域や年齢、立場によって意見や考え方の違いがあった面もあるが「対立」という形になっているとは思っていない。地域づくり・地域でのつながりづくり等で、関係はしっかりできている。今まで同様の協力関係が保たれていると認識している。考え方は人それぞれあると思うし、その違いが対立的に表れてしまう面もあったが、「宮前区をより良いまちにしていきたい」という想いは一緒だととらえている。ワークショップでは回を追うごとに、その想いが表れてきたと思う。最初から言っているように(区役所などの移転に)賛成、反対ではない。幅広く意見を聞いていきたい。
―今後、区が取り組んでいくことは
意見箱を区内7カ所に設置している。引き続き、区民の皆様には意見を出してほしい。ぜひ、子育て世代など若い人たちも20年後のまちを考えてほしい。中学生にも話を聞いた。宮前区唯一の高校でもある川崎北高にも協力いただいた。
―昨年を振り返ってみると市民活動など様々な分野で「つながり」というキーワードが目立った
区民車座集会にも様々な団体に参加してもらった。その団体同士がつながっていくこともあった。
「つながり」が「つながり」を生む好循環。昭和57年の分区以来、宮前区には自分たちで良いまちをつくっていくという取り組みが初めからあり、続いている。互いに支え合う、これからのまちづくりに大変大きな力になると心強く受け止めている。こういった活動をつなぐべく、メーリングリストや相関図、活動マップをつくるなど、活動を可視化する動きを進めている。地ケアでも同様の動きがある。区民から自然発生的に出てきた動きが結びついてくる。自主的につながってくる。素晴らしいこと。
―今年3月で定年を迎えるが、やり遂げたいことは
自分の教員出身という経歴を生かして、特に防災面で学校との連携を進めてきた。緊急時の管理職との連絡体制をほかの区にさきがけて試行実施してきた。避難所運営における学校と避難所運営会議との事前協議をできる部分から進めてきたが、まだまだやるべきことが多い。さらに体制を整えていきたい。
―ありがとうございました
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