2017年度から宮前区長を務める小田嶋満氏が3月末で定年を迎え、4月から川崎市の教育長に就任する。区政2年間の振り返りや教育長としての抱負などを聞いた。(聞き手/宮前区編集室・山田洋平)
宮前区の温かさ実感
――中学校の学校長等を歴任した教育畑出身の区長でしたが区政を振り返っていかがでしたか。
「あっという間の2年間でした。自分なりに多くの方々と関係を深めながら、これからの宮前区のまちづくりに寄与できたと思います。宮崎台のさくら祭りが区長として皆様の前で挨拶する最初の仕事でした。不安もありましたが、出会った多くの方が温かく受け入れてくれて、関係が深められました。最後の仕事もさくら祭り。桜の木の下で新区長にバトンタッチできたら良いなと考えています。人と人とが結びつき、輪が広がり、深まり、大きな力になっていると実感しました。区長として学んだことです」
――印象に残る事業を教えてください。
「まずは次世代まちづくり事業。2年前中止になってしまったタクシー実証実験の続きです。宮前区は高齢者、坂が多いことが地域の課題。地域と企業を結びつけて具体化したのが市営高山団地での出張販売『高山土曜ストア』。単に物を売るだけでなく、コミュニケーションが生まれ、地域の団体や学校との連携も視野にあり、可能性を秘めています。形としてまとまって、方向を示せたのは大きいです。
そして『しあわせを呼ぶコンサート』。障害者が第九をドイツ語で歌うコンサートですが、宮前区を象徴するイベントだと思います。今でこそ共生社会は当たり前ですが、20年前から続けられており、これが宮前区の温かさ。今後もっと必要になる取り組みだと思います。
また、新しいコミュニティ施策や防災、地域包括ケアシステムなどにも取り組んできて、一定の成果は出ていますが、まだ課題もあります。新しい区長に引き続き取り組んでもらいたいです」
――さぎぬまプロジェクトも大きな事業でした。
「広報面などで、もっと工夫すべきところもありましたが、区として丁寧に取り組んできました。20年、30年後、誰にとっても住みやすい街にしていくため、区全体の利便性が向上するような、様々な取り組みにつながっていくための起爆剤です。若い世代の皆さんを巻き込み、未来の展望につながると期待しています」
区長の経験生かす
――4月からの教育長としての抱負を聞かせてください。
「市全体の子どもたちの意識を高め、川崎のこれからを支える子どもたちを教育の立場でしっかり育てていきたい。子どもたちが将来、夢や希望を持って、まちづくりに関われる、そういう成長を支えていくのが教育の仕事だと思います。教育と区行政と両方の立場で見てきて学んだことを教育で生かしていきたいです。関係局、区役所としっかり連携して、子どもの安全・安心を守りながら、健やかな成長を支えていきたいですね」
――宮前区の市民館、図書館の鷺沼移転も引き続き担うのでしょうか。
「来年度から具体的な検討が始まっていきます。教育長として、区民の意見も聞きながら、より良い形にもっていきたいです。気軽に訪れてコミュニケーションできる空間のような、新しいイメージも含め、より機能的で使いやすく、魅力的な市民館、図書館になるよう検討を進めていきたいと考えています」
―ありがとうございます。
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