川崎市は5月11日、新型コロナウイルス感染の疑いがある患者の検体を採取する「PCR集合検査場」を市内3カ所に開設。同日に2カ所、12日には1カ所で始動した。
市内8病院(11日時点)に設置する「帰国者・接触者外来」でこれまで担っていた検体採取の態勢を充実化。重症患者の治療にあたる病院の負担軽減を図る。
検査場の場所は非公表で、運営は川崎市医師会に委託。1カ所あたり医師と看護師が各10人弱、事務員数人の規模で受け持ち、原則各日1人ずつ配置している。検査対象はかかりつけ医等に検査が必要と診断された人で、予約制で行う。
検査は既存の扉を活用し、ボード越しに医師が手袋で患者の鼻から検体を採取。電話ボックス型もあり各所で異なる。3カ所でそれぞれ週2、3日程度、1日約2時間開所し、検査数は1カ所あたり1日数人。市医師会によると、1週間に最多で合計70人程度を想定している。検体の遺伝子検査は民間会社に依頼。翌日以降に結果が出るまで、患者と家族は自宅待機しなければならない。
市医師会の岡野敏明会長は「検査のニーズが増えれば、実施件数の拡大も検討する」とし、「マスク着用や手洗い、人との適切な距離を保つなど基本的な対策を継続してほしい」と呼びかける。
帰国者・接触者外来による検体採取の件数は、4月上旬に最多の1日約130人。現在は多い日で50人程度という。これまでは感染の疑いがあっても「帰国者・接触者相談センター」への連絡を勧められ、医師が必要と判断しても迅速な検査が行えなかった。市担当者は「検体採取を担い疲弊していた病院の負担減につながる」と期待する。
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