夏の交通事故防止運動(7月11日〜20日)を前に、宮前警察署の熊田嘉範署長と、同警察署外郭団体の交通安全協会山根文男会長、安全運転管理者会の内海正昭会長、交通安全対策協議会兼全町内・自治会連合会の持田和夫会長らに交通安全について語ってもらった。神奈川県内では交通事故件数は増加傾向にあり、宮前区内でも死亡事故が起きるなど、予断を許せない状況だ。
今夏の交通事故防止運動のテーマは「交通ルールを守って夏を楽しく安全に」。神奈川県内では6月には死亡事故が9件起きており、熊田署長は「多発している」と警鐘を鳴らす。宮前警察署管内でも先月死亡事故が発生するなど、6月末までに死亡事故は3件と昨年を上回っている。山根会長は「外出自粛明けの揺り戻しもあるのだろうか。ぜひ安全運転を心掛けてほしい」と話す。
2輪事故数県ワースト5
区内の事故特性としては、2輪事故が県内ワースト5と抜きん出ている。山坂の多い宮前区の特徴ではあるが、内海会長は「車は安全性能があがってきてはいるが、バイクは身一つ。自分の身を護る対策もしなくてはならない」と話す。
また、横断歩道を渡ろうとする歩行者を優先しない車両が多いのも特徴で、約8割が守らないとも言われている。「横断歩道は歩行者優先で、横断歩行者等妨害の違反になり違反点数2点、普通車9000円、バイク7000円の反則金が課せられることもあります。思いやりと優しさを持った運転を」と熊田署長。
互いに思いやりを
車やバイクだけではなく、自転車や歩行者のマナーも大切だ。尻手黒川道路などを横断歩道や歩道橋を渡らずに横断したために事故につながるケースもある。署員は毎月1日と15日の交通安全日を中心に随時巡回し注意を呼び掛けているが、一向に減らないのが現状だ。高齢者が安全確認をせずに飛び出すケースもあるという。持田会長は「『まさか』や『自分は大丈夫』と思わずに、『事故にあうかもしれない』という気持ちで危険意識を持った行動を」と呼びかける。
コロナ禍の影響もリスタート神奈川
緊急事態宣言の解除に伴い、交通量の増加や学校再開による交通事故を減らそうと、県警では6月にキャンペーン「交通安全リスタート神奈川」を行った。
区内でも外郭団体らが中心となって、見守りや呼びかけの活動を行ってきた。しかし「例年ならば新1年生などに啓発活動を行えているのだが、今年はコロナ禍で交通安全を伝えきれていない」と、宮前署の神垣友行交通課長は危惧する。熊田署長は「昨年に引き続き今年も人身事故の件数は減少しているものの、宮前区内だけで今年に入って3人の方が交通事故で亡くなっている。宮前警察署としては、区民の大切な命を守る活動を強力に推進していきたい」と抱負を語った。
地域で見守り声掛けを民生委員 花園橋で活動中
宮前平小学校を中心に、見守り活動を続けているのは民生委員の佐藤政子さん。子どもたちが安全に登下校できるよう、近隣の民生委員らと協力しながら見守り活動を続けている。
駐車場と駐輪場、スーパーがあり交通量が多いため花園橋付近=写真=が危険だと注意を呼び掛ける。見守りながら「声掛けが大事」とあいさつ活動も。子どもだけでなく見送りの母や出勤途中の人など道行く人みんなに声を掛け、「あいさつがきっかけで、最近では『ありがとう、大変ですね』というような会話も増えた」と話す。「子どもがケガをすると、親だけでなくみんなが悲しむ。親が面倒を見られれば良いけれど、今は若い人は忙しいから、地域の人が目を掛けてあげなきゃ」と笑顔で話した。
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