読経を毎日朝晩ライブストリーミング配信している 加藤 孝充(こうじゅう)さん 鷺沼在住 58歳
「ご縁」つなぐアイデア住職
○…南無阿弥陀仏-。浄土真宗本願寺派の教えは「出会いやご縁」を大切にする。浄照寺の住職として「故郷を離れた人に、またご縁をつないでもらうために」と法話会などを続けてきた。コロナ禍でそれも難しくなり「ご縁が途切れないよう」毎日朝と夜に読経のライブストリーミング配信(生配信)を始めた。
○…福井県の寺に生まれた。父は自身が中学1年の時に他界。失意の中「坊主だから早死にした」と心ない一言を掛けられ「否定されたことを否定するんだ」と仏門に入ることを決意。龍谷大学仏教学科在学時に僧侶の資格を取得した。30歳で都市開教対策本部の誘いで川崎へ。「近隣住職が助けてくれて今がある」。法事の代務を任され実直にこなし信頼を得、業者からも仕事が来るようになり、いつしか地域に根を張った。
○…小さな頃、父は兄と姉と一緒に海や山など自然豊かな場所に連れて行ってくれた。親になり自身も子ども3人と海へ山へ。「当時の父の気持ちを知りたいんでしょうね。わかる訳ないのに」。同宗派にはお盆に特別に何かするという習慣はなく日々合掌が教え。「お盆だけじゃなく、いつも一緒に居てくれる。そっちの方が幸せじゃないですか」
○…携帯電話が5Gに切り替わることに着目し、昨年から配信方法を独学で身に付けていた。寺のウェブサイトも自作し、念仏の「How to動画」も掲載。より参拝してもらおうと参拝者につけた特典ポイントは『参れ〜寺(マイレージ)』。「どこか面白いと思ってくれて、それが興味につながれば」。寺は鷺沼の国道246号線沿い。「寺をガラス張りにできれば、もっと開かれたものにできるかも」。溢れるアイデアで縁をつなぎ、今日も手を合わせる。
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4月19日
4月12日