宮前区老人クラブ連合会の会長として活動する 永嶋 信央さん 馬絹在住 83歳
温故知新の精神で
○…39クラブ・2352人が所属する老人クラブの会長。例年はゲートボール大会や赤い羽根募金、多摩川の清掃など「健康」「友愛」「奉仕」をテーマに活動しているが、コロナ禍にあって一変。「高齢者にとっては命取り。感染者を出さないのが第一だ」と、今年度は全ての行事を中止する苦渋の決断を下した。「一日も早く、青空の下で元気いっぱい活動できることを願っている」と話す。
○…横須賀市出身。幼いころから人望が厚く「気が付くと学級委員を任されていた」。横須賀高校では相撲部の門をたたいた。小兵ながら蹴手繰りや河津掛けなどの技を得意とし、団体戦の次鋒の座を奪取。「廻しを締めるのがはずかしかった」と青春時代を回想する。民間企業を経て入社した電電公社(現NTT)では、主に管理畑を歩んだ。「仕事人間で妻には迷惑をかけたな」。民営化やバブル崩壊を目の当たりにするなど、激動の社会人経験のなかで行きついたのが「どうせやるなら楽しく」という人生訓だ。毎年減少傾向にある老人クラブの会員数。増強に向けても「楽しく活動している姿を見せるしかない」と信念を貫く。
○…現役時代は宮崎にあった社宅で暮らした。定年を機に馬絹へ。「のんびりした雰囲気がよかった。都内への交通の便もよく離れられなかった」と郷土愛は人一倍。町内会の副会長も務めた。読書好きで、文才をいかし広報誌で連載を持つ。いつも傍らには辞書があるという。クラブの運営にあたっては「温故知新」の精神を大切にする。「古くて何が悪い。新しいものばかりがもてはやされる風潮が嫌いだ」と力説。その言葉は、まるで高齢者を投影しているかのように聞こえた。
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4月26日
4月19日