東高根森林公園内で発生した火災の初期消火活動を行ったとして、宮前消防署(杉山哲男署長)は4月16日、建設業を営む「長栄興業株式会社」(長沼初代表取締役=高津区)に勤務する石井大介さんと荻野好保さんに感謝状を贈った。
散水ホースを転用
市民の憩いの場として広く親しまれている東高根森林公園の一角で火災が発生したのは3月19日の午後3時半過ぎ。この日、園路の舗装整備や芝生の張替え作業に従事していた石井さんと荻野さんは、園内にある小高い丘の中腹が燃えているのを発見。ちょうど芝生への散水用ホースが手近にあったことから、とっさの判断で現場に駆け付け消火活動を始めたという。
同時に、2人で役割りを分担し、近くに居合わせた来園者に消防署への通報を依頼するなど素早く行動。関係者によれば火災現場となったのは普段あまり人が立ち入らないエリアで季節柄、枯葉の堆積なども多く、発見が遅れれば公園と隣接する住宅などへの延焼の可能性もあったのだとか。石井さんは「消火活動はだいたい30分くらい。一見消えたようにみえても鎮火しきれていない可能性があったため、消防の方が来るまでずっとホースで水をかけ続けていました」と当時の様子を回顧する。
この念入りな消火活動が実を結び、消防隊員が駆け付けた時点で「もう作業が必要ないほど完璧に消火されていました」(同消防署員)という。結果、被害面積は34平米(約10坪)の「ボヤ程度」に抑え、延焼被害なども未然に防ぐことに成功した。
迅速な行動を評価
同消防署では、この一連の行動について「広い公園内という火災の防御が困難な場所において、速やかな初期消火が延焼拡大を防いだ」と高く評価。感謝状贈呈セレモニーには石井さんと、欠席した荻野さんに代わって長沼代表が出席。表彰状を受け取った石井さんは、晴れやかな笑顔をみせていた。長沼代表は「ちょうど山火事のニュースも大きく報じられていた頃だったので(自社のスタッフが火災を食い止めた一報を聞いた時は)ホッとしました」と社員の誉れに満面の笑みを浮かべていた。
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