東京パラリンピックの開幕に向け、区内でも「採火式」が企画され、採火者にアンプティサッカー選手の石井賢さん(犬蔵中3年)が選ばれた。石井さんは競技に対する思いや抱負を語った。
石井さんはアンプティサッカーチーム「FCアウボラーダ」に所属するサッカー選手。同チームは、2016年に日本アンプティサッカー選手権で優勝を果たすなど、多くの実績を持つ強豪チームだ。石井さんは小学校1年生の冬から練習を重ね、今ではチームの主力として活躍している。採火者に選ばれたことに対して「とても光栄。宮前区からパラを盛り上げたい」と感想を話す。
アンプティサッカーとは主に上肢又は下肢の切断障がいを持った人達がクラッチと呼ばれる杖を使ってプレーする7人制の競技。日本国内では現在9のクラブチーム約90人が活動している。「接触プレーとかもあって、迫力ある試合ができるのが魅力」と競技に対する思いを話す。
小学校1年生の夏に交通事故にあい、左足の膝から下を失った。不安な気持ちもあったが、アンプティサッカーに出会い「人生の転換期になった」と当時を振り返る。「同じ境遇の人がいて、相談できることも多い。アンプティサッカーがなければ、今の楽しい生活はなかった」。
日本代表めざし
「サッカーを好きになったのは物心がつく前。理由は分からないけれど楽しかったことは覚えている」と幼いころからサッカーをこよなく愛す。憧れの選手は同じ宮前区出身の三笘薫選手。「落ち着いたプレーや決定力がある点が参考になる。若いのに世界で活躍しているのが凄い」と分析する。
日頃大切にしていることは明るく振舞うこと。「暗くなると周りにうつる。明るく元気に過ごして周りの人を笑顔にできる人間になりたい」。前向きをモットーに日々を過ごす。今は高校受験を前に勉強に励むが、ストレス発散法も「サッカーをすること」だという。通学する犬蔵中では、昼休みに友人と一緒にサッカーをするのが一番の楽しみだ。
今後の目標は「日本代表に選ばれること。2年に1度行われるアンプティサッカーW杯への出場を目指したい」。そのために受験勉強の合間を縫って練習に取り組む。働きながらプレーする選手も多いためチームの練習は週1回だが「できるだけ毎日サッカーがしたい」と話す。
同競技はパラ競技ではないが「魅力を多くの人に知ってもらい、いつか採用種目になって欲しい。パラリンピックに出場したい」と意欲をみせる。「自分も周りもと笑顔にできる人でありたい」と思いを込めて今日もアンプティサッカーに取り組む。
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