喜多大巳(ひろみ)さん(89)=平在住=は10年以上前から、「地域子育て支援センターすがお」の一角で、ボランティアとして野菜を作り続けている。
野菜作りは、定年後に入った慈善団体の紹介で始めた。今は一人で活動を続ける。畑仕事の繁忙期には週2回ほど、自宅から片道約35分の道のりを歩く。センター内にある3カ所の畑(約10坪)にはこの時期、川崎の伝統野菜「のらぼう菜」などが植えられている。収穫した野菜は利用者らに配るという。喜多さんは「これからキュウリなどの夏野菜の準備に取り掛かるところだよ」とうれしそうに話す。
同センターの職員や利用者とは顔なじみだ。取材中、未就学児から「おじちゃん、あのね…」と声をかけられると、腰を下ろし、子どもと同じ目線で話を聞いていた。収穫作業は、子どもたちが手伝ってくれることもある。「土に触れたことがない子どももいる。土のぬくもりを感じてほしい」と思いを込める。「もうすぐ卒寿。体力の衰えを感じることもあるが、できるだけ活動を続けていきたい」と抱負を話した。
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