8月11日の「山の日」を迎える中、山登りの技術講習や登山愛好家の裾野を広げる活動に取り組んでいるのが「川崎市山岳協会」だ。最近の「山ブーム」で同会が企画する市民登山には「中高年の愛好家が増えている」という。一方、東京五輪・パラ五輪で正式種目となったクライミングは、若者の間で注目を集め、この分野の普及にも力を注いでいる。
川崎市山岳協会は1954年、川崎スキー山岳協会が分離・解散して設立された。現在は10団体、約300人が所属する。これまでに、山岳技術の向上のための講習会や、発会当初から続けている市民ハイキング、市民登山の催しなどを通して川崎市民への普及に努めている。なかでもハイキングや市民登山は山ブームの影響もあり、「最近は特に中高年の女性の参加が多い」と齋藤正理事長は話す。山をより身近に感じるようになってくれていることに喜びを感じる一方、増加傾向にある山岳事故への心配は尽きない。
警察庁が6月に発表したデータによると、昨年の全国の山岳遭難の件数は2495件。10年前と比較すると1000件以上増加している。齋藤理事長は「事前の準備がとても重要」と指摘し、登山計画書の提出の必要性を訴える。「何か起きた時に、『家族が山に行ったけど、どこの山かわからない』ということが多い。家族や友達、知人などにどこに行くのか伝えることが大事」。また、装備の一番のポイントは靴選び。「靴が体を支えるので、足に合った靴を選ばないといけない。登山用以外の靴はケガのもとになる」と話す。
高まるクライミング熱
幅広い世代が登山に関心を集める一方、若い世代の参加人口が増えているのが2020年の東京五輪・パラ五輪で正式競技種目となった「クライミング」だ。ブームを受け、市内にクライミングができる施設が多摩区や中原区、川崎区などに広がりを見せている。
同協会では毎年夏にクライミングの体験会を開催。参加者が年々増えていると齋藤理事長は手ごたえを感じている。「今後も、活動を通して山の魅力、クライミングの面白さを伝えていきたい」と話す。
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