宮前区まちづくり協議会(まち協)に、外国人市民と共に暮らすまちづくりを考える新しい部会「Welcome部会」が今年8月に発足した。10月から外国人転入者向けの生活ガイドをまとめた資料の配布を開始。今月10日には、外国人を交えて意見交換会を開くなど、外国人市民が地域社会に参加する方策を模索している。
区民と行政が協力し、より良いまちづくりに取り組む「まち協」。新しい部会「Welcome部会」が今年8月に承認された。同部会が取り組むのは「外国人市民と日本人市民が共に暮らすまちづくり」。外国人向けのボランティアなどに取り組む5人のメンバーが活動している。
若い外国人市民区内で増加傾向
宮前区に住む外国人数は増加傾向にあり、2017年9月末現在の宮前区内外国人住民は3176人。3年前の14年9月末に比べて617人増加している。
同部会では、20代の増加率が49%以上増、0〜9歳が52%以上増えていることに着目。部会長の新安裕美子さんは「日本国籍取得者はこの数に含まれていないため、子どもの数は倍以上いると推定される。子育て中の若い外国人が増えており、支援が必要な状況にある」と話す。
同部会が真っ先に取り組んだのが外国人転入者のために配布する「ウエルカムパック」の製作だ。これまで宮前区の窓口では外国人転入者に市のガイド1冊を渡しているのみだった。生活するのに必要な情報を補うため、子育て、ごみの出し方、医療ガイド、防災マップなどのチラシや冊子をオリジナルデザインの封筒にまとめた。10月に区民課に納め、外国人転入者に配布されている。
同部会が次に取り組んだのは外国人市民を交えた意見交換会の開催だ。11月10日に宮前市民館で「外国人市民が地域社会に参加する方法を考えよう」と題した意見交換会を開催した。当日は31人が参加し、うち外国人は12人だった。
ゲストとして中国、台湾、韓国、インド、マレーシア、ウズベキスタンから来日した外国人がスピーチ。「友人がなかなかできなかった」「孤立感を感じる」「日本語が難しく言葉に困った」「同世代の若い人と知り合う機会がない」といった声が聞かれた。
その後は「外国人が参加できるイベント」をテーマに意見交換を行った。「区のホームページを多言語にしてほしい」「サークルはたくさんあるが外国人が知る機会がない」「言葉が難しいので絵で解説してくれると分かりやすい」「町内会の勧誘もない」「地域の情報が伝わらない」などの意見が上がった。外国人市民と共生するためには「情報伝達」に課題があることが浮き彫りとなった。
同部会では来年1月に防災訓練の外国人市民ツアーも企画している。
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