東高根森林公園のパークコーディネーターとして、様々な企画を通して公園の魅力を発信してきた瀬尾克美さん(75)が先月末に引退した。園内に咲く約500種の草花を熟知する同公園の「名物案内人」。園内を歩くと来園者から次々に声をかけられる。「お世話になった7年間でたくさんの仲間ができた」と嬉しそうに話す。
瀬尾さんは建設省河川局出身。土砂災害や防災の専門家だ。広域避難場所に指定されている同公園でも、防災を目的とした「東高根森林塾」を開講。「いざという時スムーズに避難するためにも隣近所が顔見知りであることが大切」と昔あそびなどを通して多世代の交流に繋げた。
森林インストラクターの資格を持ち、園内の草花や森林、野鳥を紹介するオリジナルガイドブックも作成。「地域の方の発表の場を作りたい」と来園者が撮影した写真が掲載されている。さらに、宮崎台小学校の自然体験学習への協力やザリガニ釣りイベント、草笛教室等、多様な企画を仕掛けたアイデアマンだ。「自然はとにかく面白い。動けない分だけ生きる工夫をしている。どうしてこの形なのか、そんなことを考えるだけでも楽しい」と瀬尾さん。
同公園は県指定天然記念物のシラカシ林をはじめ、里山や湿性植物園が同居し、多様な植物が楽しめる珍しい環境。「こんな魅力ある環境はなかなかない。もっと多くの人に知ってほしい」。今後は仲間たちに後を託し、「全国森林インストラクター神奈川会」の監事として、県内各地での自然体験イベント等を通してより広く自然の魅力を伝えていく。
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