鷺沼駅前再開発に関する川崎市主催のフォーラムが先月27日、JAセレサ川崎本店のホールで開かれた。市は宮前区役所、市民館、図書館などの移転の可能性を含め鷺沼駅周辺に導入する「公共機能」について区民の意見を聴きながら検討するとしており、今回は一般市民が参加する初の場。意見交換では、検討の進め方などに対する不満と不安の声が大勢を占めた。
これまでの経緯
鷺沼駅前再開発は、東急電鉄、JAセレサ川崎、横浜銀行など5地権者による「再開発準備組合」が2017年8月に設立され、準備が進められている。計画区域は鷺沼駅周辺の約1・9ヘクタール。19年度に都市計画決定、21年度に工事着手のスケジュール予定だ。
この計画に対し、宮前区内の団体から要望書が提出されている。全町内・自治会会連合会は「区役所・市民館・図書館の一部機能の移転」を、鷺沼地区の住民や商店会による再開発推進協議会は「同3施設の移転」を望む声を川崎市に寄せた。
この地元の動きに宮前区選出の議員団が「検討すべき」と後押し。川崎市が本格的に検討をはじめ、今年2月に「鷺沼駅周辺再編整備に伴う公共機能の検討に関する考え方」を発表した。フォーラムや公募市民によるワークショップの開催、無作為抽出による区民アンケート、区役所を利用する団体などへのヒヤリングなどを実施し、区民の声を聴きながら「区役所・市民館・図書館等の移転可能性を含め、鷺沼駅周辺再編整備に導入する公共機能について検討する」と明らかにした。検討結果は来年3月までにまとめるとしている。
再開発の説明不足
先月27日に開催されたフォーラムは、一般市民の声を聴く第1回目の取り組み。約200人の区民が参加した。
意見交換では「移転の是非」が焦点となり、会場は紛糾。「市が区役所などの移転を誘導しているのでは」「時間が限られすぎている」など不安や不満の声が噴出した。
市は「民間が再開発する鷺沼駅前にどのような公共機能が必要かの検討」と強調するが、説明不足が露見した格好だ。
フォーラムに参加していた市議の一人は「鷺沼再開発が起点。どういった内容の計画なのか、背景や目的、内容を区民に把握してもらうことからスタートするのが重要だ。市には区民に情報を提供し、しっかり説明してもらいたい」と述べる。
今後は公募市民によるワークショップが4回、11月に市民参加のフォーラムが予定されている。市区政推進課は「『子どもの声も聴いてほしい』『もっと意見聴取の場を設けてほしい』との声をいただいており、検討したい」と話した。
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