川崎市は、民間の再開発が予定されている鷺沼駅前に、宮前区役所、市民館、図書館を移転した場合の費用試算を26日の区民との意見交換の場で初めて示した。条件設定により変動するとした上で、新施設の想定整備費を約125億〜135億円としている。
民間地権者が2021年度に工事着工を予定している鷺沼駅前再開発に伴い、市は宮前区役所、図書館、市民館の移転可能性を含め、鷺沼駅前に必要な公共機能を、住民意見などを聴取しながら検討している。
26日に宮前区役所で開かれた意見交換の場で、市は移転可能性を検討するための比較材料として、鷺沼駅前に移転して新施設を整備した場合の想定整備費用と、現地で建て替えた場合の費用を初めて提示した。
移転の場合、他事例を参考とした現時点の想定費用は、約125億〜135億円としている。このうち区役所は75億〜80億円。市民館(図書館含む)は50億〜55億円で、国の補助金23億円の活用を見込んだ数字。
現地での建て替えは、約110億〜120億円。区役所部分は40億〜45億円、市民館部分(図書館含む)は55億〜60億円。建て替えのために仮設庁舎への移転を想定した経費(用地、建物、移転費用)を含む。現区役所は築30年以上が経過しているが、建て替えの緊急性はない。
いずれの試算も現施設と同面積で算出しており、解体費用は含まれていない。修繕費用は条件整理中として提示されなかった。市担当者は「11月に開催予定の意見交換会の場にはお示ししたい」としている。
新たな計画図も
また、再開発の鷺沼駅への交通アクセスに関して、計画イメージ図も公表された=図。周辺道路の交差点の集約や右左折レーン設置などが示されている。市は「バスバース数の増加で路線バスネットワークの充実、交通渋滞に配慮した改善を図りたい」と説明した。
意見交換には約150人が参加。移転した場合の跡地利用、区役所の防災機能、検討の進め方、1年間という検討期間、移転議論の周知の方法などについて意見や質問が交わされた。
慎重意見の陳情「不採択」
公共機能の移転に関して「検討の材料が不足している」と慎重な議論を求めて向丘地区連合自治会(渡邊浩志会長)が市議会に提出していた陳情の審査が、23日に文教委員会で行われ「不採択」となった。この結果を受け渡邊会長は「区民への問題提起という役は果たした」と話した。
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