聖マリアンナ医科大学病院で2015年から患者に寄り添い、心のケアを行ってきた初代の勤務犬「ミカ」が12月に引退する。ミカを派遣した日本介助犬協会は「闘病中、ミカと過ごして前向きになった気持ちを忘れないでほしい」と、入院中の子どもたちにミカのぬいぐるみを贈るプロジェクトを11月から進めている。
「ミカ」(スタンダードプードル8歳・オス)は勤務犬として、日本介助犬協会から聖マリアンナ医科大学病院に派遣されている。3年間にわたりベッドサイドで患者に寄り添ったり、手術室やリハビリ室までの付き添いなどを行ってきた。
ミカが担うのは「動物介在療法」の一端。犬と触れ合うことで、心を癒すことはもちろん、闘病、治療意欲の向上を目指す療法だ。同医大が導入に向けて動き出したのは2012年。長期入院していた少女が「犬に会いたい」と医師に手紙を書いたことがきっかけだった。試験導入や署名活動を経て、15年に大学病院として初めて実現した。
導入後、患者からは「明日から頑張れる」「辛い入院生活だが楽しみができた」などの声が寄せられ、ミカが来るのを心待ちにする患者も多い。手術を渋っていた子どもがミカのリードを持つことで、笑顔で手術室に向かえたこともあったという。
「ずっと一緒」ぬいぐるみ準備
ミカは高齢のため12月に引退する。今後は2代目勤務犬「モリス」が引き継ぐ。日本介助犬協会では「引退後も患者に喪失感を持たせず、闘病への勇気を与え続けられるように」との想いで、ミカのぬいぐるみの作成に向け、11月からクラウドファンディングを開始。約1カ月で支援者は100人を超え、目標金額の150万円を上回る支援が集まった。
ミカとモリスのぬいぐるみを各200個作成し、入院中の子どもたちにクリスマスプレゼントとして贈る。同協会担当者は「無菌室や夜間など、ミカが寄り添えない時にぬいぐるみが変わりになったらと以前から考えていた。皆様の支援のおかげで実現できる」と話した。
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