東北地方太平洋沖地震 区内各所に爪あと 区役所内に災害対策本部を設置 被害状況明らかに
11日に起こった東北地方太平洋沖地震で、高津区内では震度4を観測。激しい横揺れと度重なる余震で各所に被害をもたらした。区役所では発生から約30分後に区災害対策本部を設置し、対応に追われた。
午後2時46分、区内は大きく揺れた。信号機やアンテナが左右に激しくしなり、地面は水のように波を打つ。辺りが騒然とする中、携帯は不通に。道行く人は立ち止まり、ワンセグ放送やカーラジオから今起きている状況を必死に把握しようとしていた。小学生の下校時間と重なったため、青ざめた顔で迎えにくる親の姿も見られた。
高津市民館(ノクティ2・11階)は揺れの直後に停電、非常灯に切り替わった。母親はベビーカーと子どもを抱えて非常階段を駆け下り、老人が乗り込んだエレベーターは途中で緊急停止した。ノクティ館内はパニック状態で、叫び声とすすり泣く声が響いた。
区は午後3時15分、災害対策本部を設置。道路公園センターのパトロールも開始され、被害状況の把握に走った。区内の被害状況としては、エレベーター閉じ込めや道路陥没、ブロック塀倒壊、タイルの破損、水道管破裂など13日までに26件が報告されたものの、即日対処されて大事には至らなかったという。人的被害は無く、停電は3万9963件発生し、ガス、水道の被害は無かった。「被害状況としては比較的軽微だった」と区対策本部。
帰宅困難者に施設開放340人が避難
帰宅困難者が数多く発生したことから、久本小学校、高津スポーツセンター、高津中学校が避難所として開設された。一部では炊き出しや毛布の提供が行われ、3施設で最大340人が避難した。他にも、橘小学校に近隣住民3人が避難。個人の事務所を開放し、トイレ休憩や飲料水の提供を行うなどの民間レベルでの動きも見られた。
区職員は区内10ヵ所に分かれて道案内をするとともに、避難所への誘導を行った。職員によれば「避難所に行く人よりも、帰宅する方向を尋ねる人が多かった」とのことで、いち早く自宅へ向かおうとする人々が歩道に溢れる異様な状況となった。
区総務課長は今後大規模災害が発生した際の対応として「区としては、災害はいつ何時起こるかわからないと考え、常に最悪のことを想定しながら今回の教訓を活かしつつ、最大限の対応を可能な限り進めていく。区民の皆様においては、家庭や個人で出来ることを冷静に考え、地域全体で街を支える取組みにご協力頂きたい」と話している。
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4月19日