一周年を迎えた「b‐cafe麦」で若年性認知症者と地域住民が集う憩いの場を運営するNPO法人ぐるーぷ麦の代表理事 吉田 歌子さん 二子在住 64歳
「いつも前向きに」が信条
○…大山街道沿いに「まちなかユニヴァーサルスペースb─cafe麦」を開設し、認知症の相談や予防教室など出会いの場を提供して1年が経過した。「当事者やそのご家族からの相談や問い合わせがこの1年でとても増えたんです」。全国的にも憩いの場を求める声は年々増え、常設拠点を持って活動する重要さを改めて感じたという。「認知症に限らず、独居高齢者は人と関わる機会が必要なんです。安心して足を運べる場所があることがどれだけ大切か」と何度も口にする。より充実させたいと今月から週2回の介護事業もスタートさせた。
○…昭和22年に東京都文京区で生まれる。子どもの頃は「泣き虫だったけど、いたずらして母に怒られた弟たちをよくかばっていた」と振り返る。33歳のとき母親を亡くした。「ずっと甘えん坊だったけど母が他界してからは、しっかりしなければ、強くならなくてはと自分を奮い立たせるようになった」という。
○…大阪で独居していた認知症の義母を迎え入れ亡くなるまでの3年半介護したことがきっかけとなり、平成17年3月に若年性認知症当事者とその家族を支援する市民団体ぐるーぷ麦を立ち上げた。同19年度から21年度まで高津区協働事業認定事業に選定され、一昨年3月にNPO法人化。臨床美術「脳トレアート塾・麦」や健康麻雀教室など、支援・交流活動を実施してきた。「たくさんの方々に支えられて、ここまで来ることができました。ただ、地域への周知がまだまだ。今後の課題ですね」
○…人の役に立つことは自分のため、と思ってここまでやってきたという。その信条は「いつも前向きに生きること」。多忙な日々が続いているが、スポーツジムで週2回、20年以上続けている水泳でリフレッシュしている。「おかげで病気知らず。肩こり、腰痛とも無縁です」と快活に笑う。長男は独立し、夫との二人暮らし。
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4月19日