高津区役所 震災対応 庁舎内で共有 今後地域への還元も
高津区役所で今月13日、東日本大震災の経験を庁舎内で共有し、今後の災害対応に活かそうとする区独自の報告会が行われた。震災時の各部署の対応説明に続き現地入りした職員の経験談も披露された。区役所では町会や市民団体等の要望があれば説明会等を開き、情報を地域に還元する。
3月11日に発生した東日本大震災では、被災地域への甚大な被害だけでなく高津区にも様々な影響を及ぼした。帰宅困難者や計画停電への対応では想定外の事態や錯綜する情報に苦慮した点も。同17日より川崎市からは順次、被災地に保健医療チームが派遣され、中には高津区役所職員も含まれていた。
蓄積したノウハウを未来に伝える
こうした未曾有の震災経験から得た見識を区役所職員間で共有し、災害対応や区政運営に活かそうというのが今回の報告会。「震災の経験から何を未来に伝えるか。ノウハウの蓄積、共有が重要」という船橋兵悟高津区長の強い意向で実施されることになった。
高津区役所職員約120人が出席した報告会では、まず震災発生直後から活動を開始した区の対応について時系列に沿った全体像の説明があり、次いで避難所での活動内容等が報告された。報告者からは、避難所となる学校とのコミュニケーションの大切さや、情報を早く正確に流す体制づくり、また日頃からのイメージトレーニングの必要性が叫ばれていた。
保健医療チーム一員は現地での活動を詳細に
川崎市では震災後、被災地支援活動として仙台市宮城野区や福島県二本松市、福島県会津若松市等に保健医療チームを派遣した。
被災地での活動実態を報告したのは高津区役所保健福祉センター・所長の大塚吾郎さん、同・地域保健福祉課の小俣純子さん、同・こども支援室の津田多佳子さん、同・保健福祉サービス課の西川洋一さん。
避難所ではトイレに不便を感じる高齢者が目立ち、風邪、のどの痛みを訴える人が多かった被災地の状況や、休まず24時間体制で活動する現地自治体職員の体調管理に奔走した経験談等、それぞれの派遣先での実態が詳細に報告された。避難所での課題としては、施設間の連絡やリーダー選定などの避難所運営、支援物資の管理、ごみ処理方法等が挙げられた。
船橋区長は「内容盛りだくさんの報告会で今後の危機管理に向けたヒントもあった。日常業務に活かせるものも多かった」と報告会を総括し、「最後のセーフティネットを守るのは公務員。その誇りを持って業務を行ってほしい」と職員に呼びかけた。
町会・団体等を対象に説明・報告会も
区役所では、今回実施した報告会の情報共有を行政内に止めず地域にも還元する考え。要望があれば町内会・自治会や市民団体、企業等を対象に説明・報告会を開くという。
問合せ等は、高津区役所総務課(【電話】044・861・3120)、または企画課(【電話】044・861・3130)へ。
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3月29日