高津区版 掲載号:2011年12月2日号
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今年の「かわさきマイスター」に認定された金属ヘラ絞りの職人 大浪 忠さん 新作在住 65歳

匠の技で地域の力に

 ○…金属ヘラ絞りで市内最高水準の技術を持つ職人として、今年、市から「かわさきマイスター」に認定された。「一生に一度あるかないか。とにかく嬉しい」と笑みが広がる。市は、産業の振興と後継者育成に貢献している最高峰の技術者を厳選し、ドイツ語で名人を意味する「マイスター」の名を冠したこの称号を贈っている。1997年の創設以降、これまでに62人のマイスターが誕生している。

 ○…金属ヘラ絞りとは、鉄やチタンをはじめ、さまざまな金属を円錐形などに自在に加工する技術。タイヤのホイール、照明用の反射板などの形成に生かされている。代表取締役を務める相和シボリ工業で、これまでに横浜スタジアムの照明用カバーを手掛けるなど、熟練の技が高い評価を受けてきた。高度な技術を要する深絞り加工における精密な技術などが認められ、今回の認定に至った。

 ○…現在の宮城県石巻市に生まれ、中学時代までを過ごす。卒業後、ヘラ絞り技術者の兄が住む品川に移り住み、職人の道へ。21歳のとき、仲間5人でヘラ絞り工場を設立。当時は高度成長期の只中で「注文が殺到した時代だった」。川崎市に居を移し、74年に結婚。3年後に息子を授かり、現在は親子3人が一丸となり工場で腕を振るっている。

 ○…とにかく夫婦仲が良い。休日に妻とゴルフに出掛けるのは「夫婦で一緒にいられるから」。先月15日の認定式に夫婦そろって出席したのは「妻に孝行できるから」。工場長を務める息子には「父であり師匠」と慕われている。ふと表情を曇らせたのは、今年3月の巨大地震の話をしたとき。故郷を襲った未曾有の大災害で肉親と実家を失った。深い喪失感を持ちながらも「歩けるうちは現役を続けたい」と、この道50年の熟練職人は言う。「これからは、マイスターとして少しでも地域の力になりたい」。油で指先が黒く染まった手で、不屈の名工はいまも現場に立ち続ける。
 

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